7日の0時、ついにサイトがオープンした時はまさにハフィントンポスト一色だった。しかし、私が観察用に使っている別のIDでは一切ハフィントンポストの話題はなかった。

 一つは、「岡山県のアパレル店に勤務する26歳フリーター」という設定でやっているIDである。フォローしている人は、「ツイッタードラマ」(ツイッターを通じて男女が出会う群像劇)として2010年にオンエアされた『素直になれなくて』(フジテレビ系)というドラマを観てツイッターを開始した人々だ。恐らくはドラマ好きで素直な若い人が中心で、女性の方が割合は多いだろう。

 もう一つ、「騎乗位」という言葉で検索したところひっかかったエロい人々をフォローしているIDもあるが、こうしたIT・メディア・広告関係者以外の人々でハフィントンポストについて言及する人は皆無だった。

 こういったところにネットの中での断絶やタコ壺化現象を見ることができるのである。原理として、インターネットは誰にでも話しかけることは可能だ。だが、実際に話しかけたり、その後もやり取りを続けるのは、同じような趣味嗜好を持ち、同じような仕事をしている人に結局は帰結する。

※中川淳一郎・著/『縁の切り方~絆と孤独を考える~』より

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