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江本氏「アメリカ帰りの選手をありがたがる風潮はおかしい」

 米大リーグのアスレチックスから契約解除され、FAランキングでも下位にランク付けされた元西武の中島裕之は、阪神や西武など複数の球団が獲得に名乗りを上げ、オリックスが高額の契約で獲得した。中島を「日本の球団が取り合うなんておかしい」という野球評論家の江本孟紀氏は、同じ元大リーガーでも松坂大輔なら獲りたいのは理解できるが、もうアメリカ帰りをありがたがるのはおかしいと異議を唱えている。

 * * *
 まだ理解できるのはソフトバンクが獲得した松坂大輔。一軍でクビになった選手ですし、彼の場合はアメリカの野球がとにかく合わなかった。マウンドの高さと硬さ、ボールの質などですね。日本のマウンドは柔らかくてなだらかだから、今後1~2年は2桁勝つことも可能でしょう。新監督も投手出身の工藤(公康)だから、野手出身の監督よりはやりやすいと思います。

 でもね、僕はやっぱりアメリカ帰りの選手をありがたがる風潮はおかしいと思う。球界全体がメジャーはすごい、日本はそれ以下というアホな思いにとらわれすぎなんですよ。

 今年の日米野球のことをもう忘れてしまったんでしょうか。日本がMLB選抜を相手にノーヒットノーラン(継投)。アメリカからすれば、真珠湾攻撃を受けてそのまま戦争に負けて、本土まで占領されて日本に編入されたくらいのショックがあるはずです。

 相手は“ジャパンツアー”という観光気分で来たかもしれないが、それでもノーヒットノーランは恥ずかしい。現実を見て、もうアホなMLB信仰はやめるべきです。

※週刊ポスト2014年12月26日号

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