サッカー日本代表のアギーレ監督が、2011年のスペインリーグでの八百長疑惑でスペイン検察当局に告発され、正式に起訴されれば、2月中にも本国での事情聴取もあるといわれる。
1月に豪州で開催されるアジア杯はアギーレ監督がとりあえず采配を振るうが、最悪の事態に備えて手倉森誠コーチが監督代行を務める態勢を敷く。それでも6月には2018年ロシアW杯の予選も控えており、監督不在のまま進むわけにはいかない。
協会の得意技「困った時の岡ちゃん頼み」は、発動前から岡田武史氏に「二度と(代表監督は)やらない」と断わられた。ザッケローニ前監督の再登板のほか、ストイコビッチ(元名古屋監督)や、2014年に3冠を達成したガンバ大阪の長谷川健太監督が候補に挙がっているといわれるが、後任人事は簡単にはいかないようである。
サッカージャーナリスト・財徳健治氏はこう語る。
「2018年ロシアW杯を考えれば、このままアギーレ監督で戦ったほうがいい。アギーレはJリーグの試合にもマメに足を運び、若手の戦力分析をしている。1月のアジア杯の人選にしても、FW小林悠(川崎)など積極的に代表の“予備軍”を招集して試す姿勢を見せた。
今後の注目はG大阪の3冠に貢献したFW宇佐美貴史の招集です。アジア杯の代表には漏れましたが、私はアギーレであれば6月からのW杯予選で宇佐美を選出する可能性は高いと見ています」
いずれにしても監督が“灰色”のままでは代表チームづくりもままならない。アギーレを守るのか切るのか、協会の判断は早いほうがいい。
※週刊ポスト2015年1月1・9日号