ビジネス

ガラケーの苦境 スマホに押されて独自サービスが次々と終了

ガラケー向けサービスが続々終了

 電車に乗っても歩いてもスマホを操る人ばかりで、まるで日本人の大半がスマホへ移行したと思われるほど。しかし、情報通信端末の世帯保有率でスマホは53.5%で、フィーチャーフォン、いわゆるガラケーは28.7%、ガラケーのみの保有率も25.5%と全体の4分の1がまだガラケーだけを使っている(「平成26年版情報通信白書」調べ)。根強い人気のガラケーだが、そろそろスマホへ移行せざるを得ない状況が生まれつつある。

 ずっと同じキャリアのガラケーを使い続けてきた40代会社員の桃子さんは、半年前まではまったくスマホにするつもりはなかった。ところが、5月28日に『Yahoo!メール』の携帯電話番サービスが終了したことで、そろそろスマホに機種変更するべきかと思い始めた。

「少し前からガラケーだと見づらいホームページが増えているとは思っていましたが、スマホにするつもりはありませんでした。でも、ガラケー向けの『Yahoo!メール』が無くなったら不便でならない。LINEもしないし、Facebookはパソコンからしか見ないからスマホはいらないと思っていたけれど、そろそろ潮時かな」

 ガラケー向けのサービスを終了したのは『Yahoo!メール』だけではない。メールと同じ5月28日に『Yahoo!アドレスブック』のサービスも終了し、ヤフージャパンが提供する『路線情報』や『テレビ』『ロコ』など複数のガラケー向けサービスが次々と提供を終えた。

 ヤフージャパンだけでなく、メーカーやサービス業のガラケー向けサイトも終了が続いている。たとえばソニーの製品情報が見られた携帯専用サイトは2014年3月末に、エプソンのユーザー向けサービスサイト『My EPSON』携帯版は2014年10月末に終了した。ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)の携帯電話専用サイト提供は12月22日までで、最新情報がガラケーから見づらくなるだけでなく、チケット購入ができなくなる。

 どのサービスも、提供終了を告げるとともに「今後はPC、タブレット、スマートフォンからご利用ください」とすすめられていた。Webデザインの仕事を20年近く続けている40代男性は、ガラケー向けの新規開発の優先順位が低くなるのはやむを得ないという。

「どの端末からWebを閲覧しにきたかの記録を見ると、ガラケーは右肩下がりで減っています。自分が請け負っているところに限りますが、去年は多いところはガラケーが3割あったけれど、確かめるたびに減っていますよ。1割に満たないところも少なくないです。そうなると、やはりコストの面からガラケー向けのサポートは縮小せざるを得ない。フルブラウザ表示をすればガラケーからも閲覧できるような工夫はしますが、以前のようにガラケーから見やすくきれいに整えるという配慮はしなくなりました」(Webデザイナーの40代男性)

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン