ビジネス

国産牛の輸出が増加 A5よりサシの少ないA3等級が好まれる

日本が世界に誇る肉

 海外に誇れる日本食は「SUSHI」「TENPURA」だけじゃない。国産牛(和牛)の海外輸出が飛躍的に伸びているのだという。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

 * * *
 ここ数年の国内の「肉」ブームについては、いまさら触れるまでもない。ただしこの肉人気は国内だけにとどまらない。もとより肉食文化が発展している海外でも、その楽しみ方は進化し続けている。そんななか国産牛の海外へ向けての輸出も加速している。

 農林水産省の発表では、2014年の国産牛肉の輸出額が年末を待たずに過去最高を記録したという。1~10月までの国産牛肉の輸出額は、前年同時期比較で143%の約62億6400万円。残り2か月分も同ペースで推移すると仮定すると、国産牛肉の輸出額は2013年の57.7億円を凌駕する、89.6億円にまで伸びることになる。

 この数字は2004年――10年前と比較すると16.6倍。右肩上がりと言ってもいい数字だ。2001年以降、世界中の畜産家を苦しめたBSEの爪痕がようやく薄れてきた。

 実は2013年の2月の時点で、制度上では日本からEUへの牛肉の輸出は解禁されていたが、食肉処理施設の衛生基準の承認などに時間がかかり、”寸止め”となってしまっていた。今年の7月、「神戸ビーフ」が初めてEUに輸出されるなど、ようやく「和牛」のEUへの輸出が本格化することになった。

 これまで国産牛の主な輸出先は北米とアジア圏だった。九州の和牛産地である鹿児島、宮崎、佐賀などが2000年代に地道に輸出先を開拓し、富裕層が集まるドバイへも和牛は届き始めた。そんなタイミングで、EUへの輸出が解禁され、国産牛が海外で勝負できる機会がやってきたのだ。海外で日本食が本格的にブームになってきたこのタイミングで。折しも「和食」も無形文化遺産に登録された。

 宮崎は北米をはじめ、シンガポールやタイなどを顧客とし、佐賀は香港・マカオ、シンガポールなどアジア圏を相手に売上を伸ばしている。国内最大の牛肉輸出県である鹿児島県もアジア圏に加えて、北米への輸出を拡大している。いずれもアジア+北米というのが基本路線だったが、ここにEUが加わった。農水省は2020年までに輸出額を250億円にまで増やすことを目標としている。

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン