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皇居・西の丸エリアには天皇の祭祀の場となる宮中三殿が存在

 日の丸を振る人々で皇居が賑わう季節がやってきた。12月23日の天皇誕生日の一般参賀に続き、1月2日には新年一般参賀が行なわれる。

 現在の皇居の歴史はかつて江戸城であったこの場所に1868(明治元)年に明治天皇が京都御所から移り住んでから始まり、天皇の公務や宮中祭祀などが行なわれてきた。

 かつて江戸城本丸があった「東御苑」、宮殿や宮内庁庁舎などがある「西の丸」、天皇・皇后の住まいがある「吹上御苑」、そして現在は玉砂利が敷き詰められた公園として公開されている「外苑」の4エリアに分かれる。

 天皇の祭祀の場となる「宮中三殿」は西の丸にある。天照大神を祀る「賢所」、歴代天皇や皇族を祀る「皇霊殿」、八百万の神々を祀る「神殿」で構成されている。

 元旦には、国家社会の安寧を願い「四方拝」という神事が、厳寒の早朝5時半から宮中三殿前の屋外で行なわれる。

 宮中三殿が祭祀の場なら、宮殿は公務の場だ。一般参賀の「長和殿」や宮中晩餐会が催される「豊明殿」、総理大臣の就任式や国務大臣の認証官任命式を行なう「正殿・松の間」など7棟で構成されている。神道学者の高森明勅氏が解説する。

「米軍は皇居の攻撃を禁じていたが、桜田濠を隔てた陸軍参謀本部が爆撃され、その火の粉が降りかかって明治宮殿が焼け落ちてしまった。そのため、現在の宮殿が再建されたのです」

 正門から宮殿東庭など西の丸の一部を巡る皇居の一般参観は宮内庁への事前予約が必要。土日祝や年末年始を除き1日2回行なわれている。

 知れば知るほど奥深い皇居の秘密。一般参賀などを機会に自らの目で見てみるとさらに興味が増してくるはずだ。

※週刊ポスト2015年1月1・9日号

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