芸能

金美齢氏 友達ができない悩みに「自分から声をかけるべき」

 未年(ひつじどし)は、激動の年となることが多い。1991年にはバブルがはじけ、ソ連が崩壊、湾岸戦争が勃発した。2003年にはイラク戦争、香港のSARS禍が発生した。今年も劇的な出来事が起きるかもしれない。そんな年初にあたって、「これだけは言っておかなければ気がすまない」ことについて、評論家の金美齢さん(80才)に語ってもらった。

 * * *
 ほぼ毎年、お正月は故郷の台湾で過ごします。毎回賑やかで本当に楽しい。台湾に里帰りする時には、知り合いに声をかける。お正月の時も、「年末年始に台湾へ遊びに来る人は、この指止~まれ」ってね。

 台湾はもともと大家族なので、入れ替わり、立ち替わり客人が来て、“誰でもどうぞ”という気質です。それに私は食いしん坊だから、大勢でたくさんの種類の料理をいただきたい。最低でも10人は集まって、円卓をわいわい囲みたいと思います。世間で「無縁社会」が叫ばれて久しいけれど、私は“有縁”です。

 縁とは、そもそも自分で結ぶもの。“老後は、人生の総決算”ですから、高齢者になって孤独を感じているとしたら、それは自分が努力をしてこなかったせい。つまり自業自得なんです。縁は放っておいたら天から降ってくるものなのでしょうか。違いますよね。

 無縁社会という言葉がひとり歩きして、自分がなにも努力しないのに相手がかまってくれないのが問題だと思ったら大間違いです。かつて私が日本語学校の校長だった時代、友達ができないと悩む留学生によく言いました。「だれかが声をかけてくるのを待っているだけで、あなたからどうして声をかけないの。新聞や本を読んでる? 美術館やコンサートへ行ってる? 話題を持ってる?」と。

 以前、無縁社会の問題を取り上げたある番組では、公団住宅にひとりで住む75才の男性を取材していました。彼には離婚した妻との間に音信不通の子供がいるというけれど、なぜ疎遠になったのか、理由には触れていなかった。子供とも音信不通というのは、彼にも問題があるように思えてなりません。

※女性セブン2015年1月22日号

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