マクドナルドやペヤングなど身近な有名企業の相次ぐ異物混入報道で、消費者の「食」への信頼は大きく揺らいでいる。
相次ぐ異物混入報道だが、最近になって混入物が急に増えたわけではない。
昨年7月に、チキンナゲットを調達していた中国の食肉加工会社が使用期限切れ食肉を使っていた問題が発覚して窮地に陥ったマクドナルドがまた不祥事を起こしたことで報道が過熱し、さらにゴキブリやコオロギなど“目を引く”混入物が相次いだために大々的に報じられているだけだ。
企業の食品事故告知をまとめる財団法人・食品産業センター「食品事故情報告知ネット」によると、企業や自治体が公表した事例だけでも昨年1年間で81件もの異物混入が報告されている。
事例の中で最も多かった混入物は「金属・金属片」の32件で39.5%を占めた。次が「虫」の9.9%(8件)で「プラスチック片」、「アルミ・アルミ片」などが続く。センターの担当者は「この数年間の件数に大きな違いはない」という。ならば、現在の報道合戦が“ブームに乗った大騒ぎ”であることは明らかだ。
「消費者からの訴え」となるとその数は激増する。全国から国民生活センターに寄せられた食品への異物混入の相談件数は過去5年間、年間1500~2000件で推移している。企業による公表数とは2ケタ異なる。
※週刊ポスト2015年1月30日号