せっかくレコードを入手したら、飾るだけでなくいつかは聴きたいもの。そんな彼らのニーズに応えた気軽なアナログレコードプレイヤーの代表ともいえる「ArchiveLP」は、Amazonのレコードプレイヤー部門でベストセラー1位を記録し続けている人気商品だ。オープン価格だが、実勢で9980円と手が出しやすい。

 販売する株式会社ニュマークジャパンコーポレーションによると「プレイヤーを処分してしまって若い頃に買ったレコードが聴けなくなっていた人たちから、最近、アナログレコードを買い始めた人まで、購入される方の年齢層はとても幅広いですね。若い人には、プレイヤーからスマートフォンへ直接、接続できるのも魅力的なようです」(同社担当者)

 消費の高まりに伴って、アナログレコードの生産も増えている。日本で唯一のアナログレコード制作工場の東洋化成では、今年はやくも昨年一年間の件数を大きく上回る受注が集まっているという。

「レコードを聴くというのは、データやCDと違って早送りできません。一度、針を落としたら、A面を聴き終えるまで時間がかかります。でも、その面倒なところがいいんです。今は音楽を聴くだけなら、音源の入手も何もかも手軽に済ませられますよね。でも、レコードを聴くということは、その時間の流れ方も含めて魅力です。

 ネットやスマホが普及したおかげで、音楽を手に入れるのに家から一歩も出ないでも、人と直接、会わなくても可能になりました。色々と便利になっていますが、登山装備で行かないとならない音楽フェスや、ライブなど体験することの人気は変わらずあります。アナログレコードの人気も、スマホで音楽を聴くのとは違う時間の流れ方、体験への関心が高まっているからではないでしょうか」(前出・西澤さん)

 デジタルカメラが普及した今でも、写真をフィルムで撮ることにこだわる人がいる。デジタルに比べて「丸みがある」といい、一枚に対して「込められるものが違う」と語る人がいる。アナログレコードも、針を落とすごとに音が変わり二度とまったく同じ音は再現されず、デジタルにはない音の丸みがあると言われる。いまもっとも贅沢なのは、きれいに整えられていない、不便であることなのかもしれない。

関連記事

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン