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石専門誌 400号記念企画は「インド仏教と日本の墓の関係」

 知られざる業界紙や専門誌の世界──。今回紹介するのは「石の文化と祈りの造形を追求する」というキャッチコピーの“石”専門誌だ。

【『月刊石材』】
創刊:1982年
月刊誌:毎月15日発売
部数:2000部
読者層:全国の石材業者、中国の石材業者、関連業者
定価:1887円
購入方法:発売元「石文社」に直接注文。

 中高年を過ぎると、日々のいろいろな場面で「お墓」の話が出る。親のお墓に加え、自分のお墓の心配も迫ってくる。

「世界中のどこの国にもお墓があって、人が死ぬと宗教や風習を背景にした埋葬の仕方をします。いわば、その国の文化そのものですね。それが近年、異業種の参入やお墓離れの進行により、全国で1万軒以上ある墓石業者は四苦八苦しています」

 そう語るのは、『月刊石材』の編集長・中江庸さんだ。なかでもいちばん様変わりしているのは、遺骨の埋葬法だという。

 たとえば、公営・民営のロッカー式あるいは棚式の“納骨堂”や寺院に遺骨を納めることを希望する人もいれば、お寺の共同墓地に遺骨を合祀し、寺に保守管理してもらう“永代供養”にする人もいる。

 さらには、埋葬をしないで、遺骨を自宅に置く“手元供養”や“樹木葬”“散骨”…。すべて従来の納骨棺つきのお墓は不要だ。

「消費者は本当にお墓はいらないと思っているのか。そうだとしたらそれはなぜか。墓石業界としては、現状をしっかり把握する必要があると思いました。それで、一般消費者、お墓を買った人、石材業者の三方からアンケート調査したものをまとめたのが、昨年10月号で掲載した〈お墓づくりに異変あり!?──お墓に関する各種アンケート調査を紹介〉です」(中江さん)

 アンケートは、まず、現在墓がない人にお墓を建てる気持ちがあるか聞く。すると、『現状、考えていない』、『現状、わからない』と45.5%の人から消極的な答えが返ってきた。

 その理由を〈(建てることに消極的な人のうち)37.5%の人が『将来、継承者がいないから』〉と答えたそう。

 さらに、『お墓の建立/管理に費用がかかる』『お墓はいらないと思うから』『子供や家族に負担をかけたくない』と続く。では、その人たちはどんな埋葬法を希望しているのか。最も多かったのは散骨で16.6%。永代供養墓13.9%、納骨堂8.4%、樹木葬7.4%と続く。

 一方、お墓を建てることに積極的な人に対しては、墓地、墓石を購入する場合、何を優先するかも聞いている。

〈【価格】が36.4%で最も多く、【自宅からの距離・交通の利便性】27・1%とあわせると6割強を占める〉

 その価格だが、新たに購入を考えている人は〈(墓石建立代+永代使用料の合計)を…『100~150万円まで』が32.1%と最も多く、次が『50~100万円未満』で22.8%〉だった。

「お墓の価格は石種、仕上げ、サイズなどによってさまざまですが、一般消費者は何を基準に墓石を選んだらいいか、わからないんだと思います。ですが、業者が勉強不足で、お墓の価格面の話ばかりをして、お墓の意味や大切さを提案できていないのは問題です。だから昨今は、お墓がモノ化し、販売業者同士が価格のたたき合いに走り、結果、自分たちの首をしめているというのが現状です。人が死者を想い、手を合わせるお墓は、利益や効率だけ考えて作っていいものではないし、モノ的に買うものではありません」(中江さん)

 そこで〈創刊400号記念企画 ストゥーパの謎を解く〉では、前編、後編にわたり、建築家と石文化研究所所長がインド仏教と日本の墓の関係を解き明かす記事を組んだ。

 これを参考にした石材業者から「墓石のいわれをお客様に説明して、質の高い墓石の建立を提案できた」という喜びの声が寄せられたそうだ。

 話をアンケートに戻そう。業者も時代の変化に戸惑っていて、樹木葬については次のような意見を寄せている。

〈樹木葬や散骨の流れは、恐らく止められないけど、…石材業界が…輸入品の増大で大きく変化してしまったが、これを機に本来の石屋の姿に戻るべきだと思う。…自分の手でお墓を作っていく本来の姿に〉

 とはいえ、国産石を使った“石屋”に戻り、手仕事で質のいい墓石を作る日が本当に来るのだろうか。中江さんに、墓石業界の展望を聞いてみた。

 すると、「う~ん。現状のままでは決して明るくはないでしょうね」と困惑顔。しかし後日、「業界誌の編集長として、頑張っている石屋さんも多いことを、付け加えさせてください」というメールが届いた。

取材・文/野原広子

※女性セブン2015年3月12日号

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