国内

『後妻業』作者 いかにも財産狙いの女に男が騙される理由解説

 夫や交際相手に次々と青酸化合物をのませて殺害し、多額の遺産や保険金を手にしていたとされる筧千佐子容疑者(68才)。妻と離婚や死別した高齢男性と結婚し、亡くなった後に多額の保険金や遺産という“報酬”を堂々と受け取る後妻業を生業にしていた。

 この事件をまさに「予言していた」として話題を集めたのが、昨夏に出版された小説『後妻業』(文藝春秋刊)だ。著者で直木賞作家の黒川博行さんが言う。

「『後妻業』で描いたエピソードは、実際に私の知り合いに起こったことです。その知り合いが『後妻業』という言葉を使っていたので、そのまま題名にしました。

 筧容疑者のように刑事罰に処されなくとも、高齢の夫の死を待って遺産をしっかりともらう女性たちを“消極的後妻業”と名づけました。そうした女性は数多くいるでしょう。ただ、事件として取り上げられることがないだけなんです」

 あなたの父親、そしてあなたの夫だって、この恐るべき生業の“餌食”にならないとは限らないのだ。

 黒川さんは「後妻業にとって、パーティーやサイトなど婚活交流の場ほど“絶好の釣り場はない”」と言う。

「婚活サイトでは、登録者は年収や住所、年齢、家族関係など個人情報を明かす。もらえる年金額が充分にあるとか、遠方に住むひとり息子しかいないから再婚に反対される心配がないとか、高級住宅街の一戸建てに住んでいるから土地持ちとか、あらゆるデータが丸わかりです。カモがネギをしょってくるようなものでしょう」

 なぜ“いかにも財産目当て”の女性にいとも簡単に騙されてしまうのか。黒川さんが言う。

「男というのは都合のいいことしか考えられない生き物なんです。自分より10も20も年下の女性が寄ってくると“おれはモテる”と勘違いしてしまう。

 さらに、たとえ変だと気づいていても“それでもかまわない”という気持ちになる。自分をないがしろにする子供たちに比べたら、自分を好きだと言ってくれて一緒にご飯を食べてくれて、夜の相手もしてくれる女性のほうがずっといい。

 だから“死んだらどうせお金は使えない。それなら、こいつに残してやろう”と思ってしまうんですね」

※女性セブン2015年3月19日号

関連記事

トピックス

アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
センバツでは“マダックス”も達成しているPL学園時代の桑田真澄(時事通信フォト)
《PL学園・桑田真澄》甲子園通算20勝の裏に隠れた偉業 特筆すべき球数の少なさ、“マダックス”達成の82球での完封劇も
週刊ポスト
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト
離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン