採用の流れとしては、まずは上位校の学生を対象に上位校限定セミナーとか、リクルーター、インターンで囲い込んで掴んでいく。そこから徐々にオープンな枠で採用活動を行い、自由競争で誰でも応募できるようにする。後の方になると、人事も妥協するみたいな風になっていくのですね。もちろんオープンで一切の差別がない採用も同時にやっている会社もありますけど。その一方で、ガチガチに、「このクラスしか相手にしない」と明確に区別をして採用を行っている外資系企業などもあります。

 もっとも、上位校なら有利なのか?上位校の学生って競争相手が普通とは違うんですよね。というのも、大学ごとに採用数が決まっている場合は、その中で勝負をしなくてはいけなくなるのですね。帝大早慶の場合、10000人の中から50人を目指す競争にはなりませんが、熾烈な学内競争に参戦せざるを得ません。5枠をめぐり、同じ大学の優秀な学生100人と争ったりするワケですね。これも相当厳しい戦いです。

 だったら、普通の学生はどうすればいいのか。まずは、自由応募枠の中で、足切りに合わないよう戦うべきでしょう。実際のところ、企業は多様性のある人材を欲していますから、様々な大学から取りたいと考えるのは事実。だから完全に差別があるわけではなく、一応受けるチャンスはある。そもそも、上位校に絞った場合は、彼らから採りきれないということもありうるわけです。

 だからこそ、SPIなどで切られないようにトレーニングをすることが重要です。同じ問題集を4回やるとSPIは解けるようになりますよ。下位校と言われる大学の人で、大手広告会社に入った人はSPIの「言語・非言語」の分野での正答率が95%でした。彼はコネなしで入ったのですが、こういった対策をキチンとしておくべきですね。

 あとは奇策ではありますが、立場のあるエラいの人に直談判する、というのもありますよ。『銀のアンカー』(三田紀房 集英社)という就活漫画でも、『あの子が欲しい』(朝比奈あすか 講談社)という採用活動小説でも描かれていますが、その会社のトップクラスに接点を持っていくという手法があります。あとはなんとかして、会社説明会に潜り込むのも手です。それは、会社説明会の開催情報を何とか取って、当日会社へ行って並ぶ。となれば、元々応募はしていなかったものの、ムゲにはできないな、となります。どちらにせよ、説明会ってキャンセルはあるんですよ。明らかにガラガラなので追い返された、となるのは問題になりますので、企業も中に入れてくれることでしょう。

 もしかしたら諦めろと言ってるように聞こえるかもしれませんが、何よりも、まずその企業の採用活動の癖を知るべきです。どの大学からどれくらいの人数を取ってるかをまずは知りましょう。東洋経済の就職四季報を見ると、毎年どんな大学から何に入ってるかが分かります。ここは幅広く採っているな、とか、取っているけど女性ばかりだな、という情報を知ることは重要です。

 知り合いの明治大学の学生がどうしてもキリンビールに行きたいと言っていたんですよね。でも、明治からキリンはそんなにいなかったんです。キリンも三菱グループだからなのか、慶應が伝統的に強い。もし、ビール会社に入りたいのであれば、アサヒやサッポロはけっこう明治の出身者が多かったりもします。同じ業界であっても、自分の大学から多く採ってるかどうか、というクセは見抜いておいた方がいいでしょう。これは差別・区別ではなく、採用活動のクセ、傾向のようなものですね。

 いや、だってね、ウチの高校から東大を何人受けるか? みたいなことはやってたワケでしょ? なんで同じことを就職でもやらないのですかね。

 あとはコネに近いのですが、その企業に強い先生がいないかどうかを知っておいた方がいいです。コネってバカにできないんですよね……。とある企業と共同研究している教授とかいたりするワケで、その教授が企業にどれだけ影響力を持っているかによりますが、なんとかしてくれる場合もありますよ。毎年その教授のゼミから同じ会社に行く学生がいたりして。見る人が見れば「あぁ、○○先生の影響下だね」なんてことは分かります。

 いずれにしても、学歴差別は残念ながら存在するので、事実として直視しつつ、そんなものに負けず、ありとあらゆる手を尽くして内定を目指していただきたいな、と思います。

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