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イルカ座礁は地震予兆か 専門家は集中する発生時期に注目

 4月10日に茨城県鉾田市で発生した「イルカの大量死」は、天変地異の前触れなのではないかと囁かれているが、専門家は鯨類の座礁について地震以外の様々な可能性を挙げている。

 今回のケースでは、カズハゴンドウが「餌を深追いして浅瀬に打ち上げられた」という説に始まり、「天敵のシャチに追い込まれた」、「潜水艦のソナーに反応した」、「寄生虫の集団感染で聴力に異常をきたし、暴走した」などの説が唱えられている。

 中でも専門家が注目するのは、「発生時期」だ。日本でのマスストランディング(集団座礁)の発生は1~4月に集中している。

 アクアワールド茨城県大洗水族館海獣展示課の高石慎也主任は、「潮目」によって大量座礁が生じるのだと分析する。

「日本列島周辺の沿岸には暖流と寒流がぶつかり、餌が豊富な『潮目』がある。海水の寒暖差が大きくなる1~4月は潮目が変わりやすく、カズハゴンドウなどの鯨類は複雑な潮の流れに翻弄されてルートを間違えやすい。

 今回のケースは茨城県沖の潮の流れが複雑になって生じた接岸流(岸に向かう潮)にカズハゴンドウの群れが乗ってしまい、そのまま浜に座礁した可能性が高い」

 東京海洋大学大学院の加藤秀弘教授は過去にイルカが集団座礁した場所に注目する。

「集団座礁の場所は日本では大きく3か所に限定されます。今回起きた茨城の鉾田海岸、千葉の九十九里、鹿児島の南薩摩が圧倒的に多い。いずれも共通するのは非常に遠浅ということです」

※週刊ポスト2015年5月1日号

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