国内

LGBT恋活パーティー 参加者が打ち明けた「それぞれの事情」

フリータイムで会話も弾む参加者たち

 いま日本では、13人に1人はLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)をはじめとする性的マイノリティである(電通調べ)。今年3月には、同性カップルに対して「結婚に相当する関係」と認める「パートナーシップ証明書」を発行する条例が、東京都渋谷区で成立した。

 LGBTの認知度は高まる一方で、少数者の苦労や悩みは尽きないようだ。その一つが“出会い”。今回、LGBTの恋活パーティーを取材し、彼らの本音を聞いた。

 * * *
 東京・池袋。ここでLGBTのための恋活パーティーが開かれている。レズビアンのためのパーティーもあるが、我々が訪れた日はゲイのパーティー。このパーティーは昨年から始まり、今や東京のみならず全国各地で開催されている。どんなパーティーなのか? 趣旨や流れを、主催者である「LGBTパートナーズ」の代表・樽井良和氏に伺った。元国会議員である樽井氏。その経験が「LGBTパートナーズ」の立ち上げを後押ししたという。

「『LGBTパートナーズ』は私が経営する会社の一つのチームです。今までオタクに出会いの場を提供する“オタク婚活”の『アイムシングル』や、65歳以上の女性のみを雇用する『おばあちゃんの定食屋』を立ち上げるなど、必要とされているのに社会にはまだないソリューションサービスを積極的に手掛けてきました。そして昨年から始めたのがLGBTの方のためのパーティーなんです。

 以前、私は政治家をしていて、日本の問題点をたくさん見てきました。日本にはまだまだ、少数者への配慮や理解が制度的にも感情的にも十分でないところがあります。テレビなどでは、“オネエ系”といわれるタレントさんが大活躍されていますが、ああいう方はLGBTのごく一部であって、とりわけ硬い仕事をしている方などはカミングアウトできないと悩んでいらっしゃる。そこで、LGBTの方同士のまじめな出会いの場を作ろうと考えました。

 LGBTの方に限らず、人生において恋愛はとても大事なものですし、あらゆるモチベーションやエネルギーの基となっています。恋愛が多い方が人生も社会も活性化されると、私は思っているんですね」

 樽井氏が言う“まじめな出会いの場”――このパーティーは、ネットではなく実際に顔を突き合わせて出会う場であり、アルコール抜きに落ち着いて語り合う場だ。参加者にはHIV検査を推奨するなどの意識付けも行っている。

 パーティーの流れをざっと説明しよう。男女の一般的な恋活パーティーと似ていて、最初にプロフィールカードを記入する。次に、そのプロフィールを持って、3~5分で自己紹介を行う。その後はフリータイムがあり、カップルになりたい相手がいた場合は投票カードに記入してスタッフに渡す。最後にカップルの発表がある。全体で約2時間。パーティーの間はジュースや軽食が自由に飲食できる。

 初めに記入するプロフィールカードには、年齢や職業、血液型、趣味や好きなタイプなどの基本情報のほか、ゲイならではの記入事項があるという。

「『タチ』(攻め)か『ネコ』(受け)かの記入欄ですね。パーティーを始めるにあたって、この項目は絶対に入れてほしいという声が多くありました。見た目では判断が難しいのだそうです。ただし、「タチ」といっても、程度が様々なようで、積極的なタチもいれば、相手によってはネコにもなるタチ、もいらっしゃる。ですから『1~10』の度合いで示していただくようにしています。

 もう一つ、参加者の方が重要だと仰るのは、一人暮らしかどうかの項目ですね。同性同士だとホテルに入りにくいとか、家族にカミングアウトしてないから家では会えないといった事情が、やはりあるようです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

アメリカの人気女優ジェナ・オルテガ(23)(時事通信フォト)
「幼い頃の自分が汚された画像が…」「勝手に広告として使われた」 米・人気女優が被害に遭った“ディープフェイク騒動”《「AIやで、きもすぎ」あいみょんも被害に苦言》
NEWSポストセブン
TikTokをはじめとしたSNSで生まれた「横揺れダンス」が流行中(TikTokより/右の写真はサンプルです)
「『外でやるな』と怒ったらマンションでドタバタ…」“横揺れダンス”ブームに小学校教員と保護者が本音《ピチピチパンツで飛び跳ねる》
NEWSポストセブン
復帰会見をおこなった美川憲一
《車イス姿でリハビリに励み…》歌手・美川憲一、直近で個人事務所の役員に招き入れていた「2人の男性」復帰会見で“終活”にも言及して
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
公設秘書給与ピンハネ疑惑の維新・遠藤敬首相補佐官に“新たな疑惑” 秘書の実家の飲食店で「政治資金会食」、高額な上納寄附の“ご褒美”か
週刊ポスト
複座型ステルス戦闘機J-20 米国のF-35に対抗するために開発された。第5世代ステルス戦闘機(写真=Xinhua/ABACA/共同通信イメージズ)
【中国人民解放軍「最新兵器」】台湾侵攻や海上封鎖を想定した軍事演習も 就役直後の最新空母、ステルス戦闘機から“犬型ロボット”まで、性能を詳細に分析
週刊ポスト
高市早苗首相(時事通信フォト)
高市早苗首相の「官僚不信」と霞が関の警戒 総務大臣時代の次官更迭での「キツネ憑きのようで怖かった」の逸話から囁かれる懸念
週刊ポスト
喫煙所が撤去されてホッとしていたのだが(写真提供/イメージマート)
《規制強化の動き》加熱式タバコユーザーのマナー問題 注意しても「におわないからいいじゃん」と開き直る人、タクシー車内で喫煙する人も
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
村上迦楼羅容疑者(27)のルーツは地元の不良グループだった(読者提供/本人SNS)
《型落ちレクサスと中古ブランドを自慢》トクリュウ指示役・村上迦楼羅(かるら)容疑者の悪事のルーツは「改造バイクに万引き、未成年飲酒…十数人の不良グループ」
NEWSポストセブン
現在は三児の母となり、昨年、8年ぶりに芸能活動に本格復帰した加藤あい
《現在は3児の母》加藤あいが振り返る「めまぐるしかった」CM女王時代 海外生活を経験して気付いた日本の魅力「子育てしやすい良い国です」ようやく手に入れた“心の余裕”
週刊ポスト
上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン