自己都合に合わせて多様な働き方を選んだり、たまたま非正規になったとしても、正社員と差別されず労働が適正に評価される。本来、政策はそんな「同一労働・同一賃金」「均等・均衡処遇」の方向を目指すべきだ。

 もう1つ、国会は高度専門職を対象にした労働基準法改正案も審議する。こちらは労働時間で賃金を決めるのではなく、成果で評価する。

 成果報酬でもっとも進んでいる1つの例は、夜のホステス業だろう。彼女たちは自前の客を抱えて売り上げさえ上げれば、見合った報酬が約束される。ダメなら即クビだ。残業代? そんなものはもちろん、ない。彼女たちはそれが分かっていて働いている。

 左派系論者は残業代ゼロ法案などと批判するが、彼らは「ホステスにも残業代を認めるべきだ」と言うのだろうか。そっちはよくて、こっちはダメというのは二重基準のきれいごとではないか。

■文・長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ):東京新聞・中日新聞論説副主幹。1953年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学大学院卒。規制改革会議委員。近著に『2020年新聞は生き残れるか』(講談社)

※週刊ポスト2015年6月12日号

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