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腰痛軽減は何才からでも可能 立ち上がる際「どっこいしょ」

 整形外科やマッサージにいってもよくならない! と腰痛に悩んでいる人は少なくない。実は日本人の9割が一度は腰痛に悩まされた経験がある。一度発症すると治りにくい腰痛…どう対処していけばよいのだろうか?

 脊椎外科専門医で早稲田大学スポーツ科学学術院教授の金岡恒治さんは、腰痛改善方法を聞いた。

 腰痛改善のため欠かせないのが、体幹深層筋だ。いわゆる“インナーマッスル”のことで、今でこそ「体幹を鍛える」ことがブームになっているが、五輪水泳チームのドクターを務めてきた金岡さんは、この体幹深層筋の重要性に早くから注目していた。

 体幹深層筋の中でも「腹横筋」を活動させることが、腰痛解消に効果的とのこと。腹横筋とはお腹のまわりを取り巻く筋肉で、体を動かそうとする時にどの筋肉よりも先に動き、腰痛とかかわりの深い背骨のコントロールや体のバランス維持などに役立っている。

「無意識のうちに使われる筋肉ですが、全力で動いているわけではないので、ふだん腹横筋を使っていないと使い方を忘れてしまいます。例えば、立っている時に腹横筋が働いていなくても背骨に全体重を預けてしまえば立ち続けられますが、背骨に負担が多くなり、腰の痛みにつながります。腹横筋をうまく使うと、背骨が安定して骨への負担を減らせます」(金岡さん)

 では、腹横筋をしっかり働かせるには、どうすればいいのだろうか。金岡さんは、体が動き出す前に腹横筋が働いている状態にしなければならないと指摘する。

「ただ漫然と筋肉を鍛えるだけでは、腹横筋は働いてくれません。子供の頃は普通に使えていても、運動不足などで体を使っていないと、腹横筋の使い方を忘れてしまいます。脳に再教育して、使い方を思い出させることが必要です」

 使い方を思い出させるための刺激の与え方について、金岡さんの理論をもとに腰痛解消の体操を展開し、指導を行っている理学療法士の成田崇矢さんはこう話す。

「腹横筋を鍛えるために有効なのが『ドローイン』です。これは必ずしも寝た状態で行う必要はありません。日常生活でお腹を引っ込めながら家事をしたり、荷物を持ったりするだけでも、腹横筋への刺激になります」

 起き上がったり立ち上がったりする時に、「どっこいしょ」などのかけ声を発するだけでも、刺激になるという。

「声を出す時にはお腹に力が入るので、その瞬間におへその下に力を入れる。それを繰り返していると、何も考えなくても力が入るようになり、動こうとする時に、自然に腹横筋が先に働くようになります」(金岡さん)

 嬉しいことに、腰痛を軽減させるのは、何才からでも可能だそう。原因を知り、自分に合った動きで治すという、この画期的な腰痛解消法を試さない手はない。さっそく診断から始めて、自分に合ったストレッチにトライしてみて!

※女性セブン2015年6月25日号

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