ライフ

軍艦島 見学ルートから逸れた「非公開エリア」を写真で紹介

軍艦島の工業所エリア(右手前は30号棟、左奥は31号棟)

「明治日本の産業革命遺産」のひとつとして、6月28日から開かれる世界遺産委員会で遺産に登録される可能性が高い長崎の「軍艦島」。1870年に石炭採掘が始まり、面積6.5ヘクタールの小さな島に最盛期には5000人以上が住んだ。閉鎖から41年、人々が生きた証がこの島にはいまなお残されている。これまで20回以上軍艦島を訪れた写真家の酒井透氏が、島の内部の「非公開エリア」をリポートする。

 * * *
 長崎港を出た船が、湾の出口にかかる女神大橋をくぐって東シナ海に出ると、荒波が船体を大きく揺さぶる。正面右に見える中ノ島の向こうから、徐々に姿を現わすのが端島(はしま)、通称・軍艦島だ。

 およそ40分の航路。梅雨時の今は特に波が荒く、船酔いする観光客も多い。しかし、これまで20回以上、軍艦島に渡った経験からいえば、梅雨のどんより曇った空を背景にまとう雨に濡れた軍艦島は、廃墟としての雰囲気が際立ち、他の季節よりも存在感を増す。

 桟橋から上陸し見学ルートに沿って進むと、丘の頂上に建つ幹部職員用の住宅や端島小中学校などを見ることができる。

 さらに歩を進めていき、見学ルートの半ばにさしかかると現われるのが、レンガ造りの第三竪坑捲座など、日本の「産業革命」を支えた鉱業所だ。

 鍛冶工場や日本初のコンクリート建築による高層住宅などが並ぶ南西側で見学ルートは終わるが、非公開となっている島の内部に足を踏み入れると、軍艦島はまた別の顔を見せる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
“飛ばし屋あいちゃん”の異名も
《女子ゴルフ後藤あい》16歳ドラコン女王“驚異のぶっ飛び”の秘密は「軟らかいシャフトで飛ばす」 アマチュアゴルファーでも実践できるのか? 専門家が解説
週刊ポスト
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
注目される次のキャリア(写真/共同通信社)
田久保真紀・伊東市長、次なるキャリアはまさかの「国政進出」か…メガソーラー反対の“広告塔”になる可能性
週刊ポスト
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン