たとえば2012年から2013年にかけて前編、後編、新編と3作を劇場公開した『魔法少女まどか☆マギカ』も同じように前売券と入場者プレゼントの種類が多い。2013年10月に公開された新編では、劇場出口で絵柄を確認しながらプレゼントを交換するファンたちの姿が目立った。このリピート観客増加作戦が効いたのか、2013年10月公開の新編は観客動員数が100万人超、興行収入は20億円を突破している。
多種類の前売券や入場者プレゼントによるリピート客増加作戦に、ファンは疑問を抱かないのか。
「好きな作品だから、嫌だと思ったことはないです。僕はラブライバーとして(矢澤)にこちゃんと(南)ことりちゃんを少しでも近くで応援したいんです。AKBの握手会や総選挙なんて、もっとすごいファンの人いっぱいいますよね。誰かのファンになるっていうのは、こういうことが楽しいんだろうなと思います。僕は無理のない範囲でこれからも推していきますよ!」(30代男性)
「特典をコンプリートしたいとか、押しキャラのフィルムを手に入れるためなら何でもするとまでは思わないけれど、いろいろ選べるのはファンサービスだなと思いますよ」(20代女性)
この前売券と入場者プレゼントによるリピート客獲得ビジネスは、11月21日に公開される、これも深夜アニメからの人気作『ガールズ&パンツァー 劇場版』でも採用されている。すでに13種類のクリアファイルが選べる前売券第1弾が発売中で、第2弾、第3弾の特典内容も発表されている。特典の多さに驚かされるが、ファンは第1弾前売券の発売前に第2弾以降の特典を教えてもらえたと好意的に受け止めているようだ。
前売券を複数購入し、映画館ロビーで入場者プレゼントを交換する人の姿は、今後もっと増えそうだ。