ライフ

美味しく食べて健康リスク軽減に期待のカカオポリフェノール

愛知学院大学・心身科学部の大澤俊彦教授

 健康のために摂取したい成分のひとつとして、よく見聞きする「ポリフェノール」。体に良いイメージはあるが、具体的にどんな成分なのだろうか。食品の機能性に詳しい愛知学院大学・心身科学部の大澤俊彦教授はこう解説する。

「ポリフェノールは、植物の表皮や種子、樹皮などに含まれる色素や苦み・渋みの成分のことです。植物が自分を食べようとする虫などの攻撃や紫外線から、身を守るために作り出す成分です」

 代表的なポリフェノールとして大澤教授が例に挙げたのが、赤ワインのレスベラトロール、緑茶のカテキン、ゴマのリグナン、大豆のイソフラボンなど。自然界にはほかにも、何千種類ものポリフェノールがあることが知られているという。そんなポリフェノールに期待される効果として、最も有名なのが“抗酸化力”だ。

「私たちヒトは、毎日500リットルの酸素を吸って生きていますが、そのうち10リットルが体内で“活性酸素”に変わってしまいます。活性酸素は、抗菌・抗ウイルス作用やホルモン合成を助けるなど、体にとっていい働きもあります。しかし、タバコや紫外線、過食やストレスなどが原因で活性酸素が過剰に作られると、私たちの体は酸化する、つまり“サビた”状態になり、老化したり、生活習慣病になったりするのです。このような活性酸素に対抗する力を抗酸化力といいます」(大澤教授)

 ポリフェノールを豊富に含む食品がさまざまある中、最近注目されているのが、チョコレートやココアに含まれる「カカオポリフェノール」だという。

「赤ワインやりんご、コーヒーなどもポリフェノールが多いことで有名ですが、100g当たりで比べると、ポリフェノール含有量は、カカオ分70%以上の“高カカオチョコレート”が最も多いのです」(大澤教授)

 近年、世界中でカカオポリフェノールについての研究が行なわれ、2000年以降は年間100件以上の医学系論文が発表されている。これらの多くが、カカオポリフェノールの強力な抗酸化力に注目したもの。大澤教授ら、愛知学院大学の研究グループも2014年から2015年にかけて、カカオポリフェノールが豊富な高カカオチョコレートを使い、愛知県蒲郡市の市民を対象に大規模な実証研究を行なった。その結果、高カカオチョコレートを4週間、毎日摂取することで、さまざまな好影響が見られた。

関連記事

トピックス

12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
〈タバコに似ているとの声〉宮内庁が加湿器と回答したのに…秋篠宮さま“車内モクモク”騒動に相次ぐ指摘 ご一家で「体調不良」続いて“厳重な対策”か
映画『国宝』に出演する吉沢亮と横浜流星
『国宝』の吉沢亮&横浜流星、『あんぱん』の今田美桜&北村匠海、二宮和也、菊池風磨、ダイアン津田…山田美保子さんが振り返る2025年エンタメ界で輝いた人々 
女性セブン
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト
米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
地雷系メイクの小原容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「家もなく待機所で寝泊まり」「かけ持ちで朝から晩まで…」赤ちゃんの遺体を冷蔵庫に遺棄、“地雷系メイクの嬢”だった小原麗容疑者の素顔
NEWSポストセブン
渡邊渚さん
(撮影/松田忠雄)
「スカートが短いから痴漢してOKなんておかしい」 渡邊渚さんが「加害者が守られがちな痴漢事件」について思うこと
NEWSポストセブン
平沼翔太外野手、森咲智美(時事通信フォト/Instagramより)
《プロ野球選手の夫が突然在阪球団に移籍》沈黙する妻で元グラドル・森咲智美の意外な反応「そんなに急に…」
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)は被害者夫の高羽悟さんに思いを寄せていたとみられる(左:共同通信)
【名古屋主婦殺害】被害者の夫は「安福容疑者の親友」に想いを寄せていた…親友が語った胸中「どうしてこんなことになったのって」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《累計閲覧数は12億回超え》国民の注目の的となっている宮内庁インスタグラム 「いいね」ランキング上位には天皇ご一家の「タケノコ掘り」「海水浴」 
女性セブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン