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高額当せん連発の宝くじ売り場 人気上昇で広さ20→140坪に

 中国・唐代末期の明州に実在したとされる伝説的な仏僧・布袋。日本では七福神の一柱とされ、広い度量や円満な人格、富貴繁栄をつかさどるものとして崇められている。

 そんな布袋の御利益が激ツキを生むのが、静岡県浜松市にある「宝くじのマスミ」だ。いかにも金運を高めてくれそうな黄色の建物に、所狭しと置かれたかえるや招き猫、そして店内の脇に木彫りの「布袋さま」が鎮座する。

 1952年に開店したというこの売り場では、なんとこれまでジャンボ宝くじだけで53本の1等をたたき出し、その当せん総額は100億円近い98億5000万円にものぼるという。売り場を切り盛りする75才のおじぃ、中村紀雄さんに幸運の秘訣を直撃した。

「うちではじめて1等が出たのは1986年の年末ジャンボだね。ちょうどこの“布袋さん”がやってきた次の年からだよ」

 開店当初は毛糸屋を営む一方で、宝くじを販売していたというおじぃ。しかし、店の経営は次第に落ち込んでいったという。

「昔はプレゼントといったら、マフラーとかセーターとかを編んでたでしょ。でも、だんだんそういうことをする人が減っていってね。頭を抱えてたのよ。売り上げが3分の1くらいに減っちゃってさ」(中村さん、「」以下同)

 おじぃが“布袋さん”と出会ったのはそんな時だった。

「100万円が当たったというお客さんからご祝儀で1万円をもらったのよ。お酒でも飲んじゃおうか、ぱーっと遊びにでも使っちゃおうかっていろいろ考えたんだけどね。ふと立ち寄った古道具屋に“布袋さん”がいたのよ」

 店の奥で埃をかぶり、肩や背中にはひびが入っていた木彫りの布袋像。値段は4万円だったが、おじぃはなぜか買わなければならないと思ったという。

「何かピンと来るものがあったんだよね。そしたらその翌年に初めてジャンボの1等が出たんだよ」

 以来、毎年のようにジャンボの1等が出て、地元で知らない人はいない人気売り場に。20坪ほどだった店も、移転や増改築を経て140坪にまで大きくなったという。

「布袋さまだけじゃなくて、宝くじの時期には、近くの神様にお参りするようにしてるよ。あとはお墓ね。自分の墓とあっち(おじぃの妻)の墓と」

※女性セブン2015年8月13日号

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