国内

北千住の駅看板誤植騒動 どうせ忘れるのだから楽しく消費を

 駅名の一部が「誤植」だったことがネットで話題になった。たわいもない話だが、大人力コラムストの石原壮一郎氏は「それこそ健康的」と指摘する。

 * * *
 どちらかというと地味キャラだった北千住(東京都足立区)が、はからずも熱い注目を集めています。きっかけは東京メトロ千代田線の北千住駅に掲げられた駅名の看板。ちょっと前に架け替えられた看板の「北千住」の「千」の字が、なんと、洗濯物を干すの「干」になっていました。

 制作を担当したデザイン会社のミスとのことで、東京メトロはとりあえず看板の「干」の部分にシールを貼って対応し、8月中に正しい表記の看板を設置しなおす予定だとか。それはさておき、自分は今までずっと「きたせんじゅう」だと思い込んでいました。入力するたびに「北千住鵜」と出てきて、勘違いに気づいた次第です。

 こんなノンキな出来事が大きな話題になっているところに、平和のありがたさをあらためて感じずにはいられません。もしかしたら、本気で「ケシカラン!」と目くじら立てている人もいるかもしれませんけど、その無駄に暑苦しい正義感にむしろ感心します。

 ノンキな事件はノンキに楽しむのが、大人としての粋で美しいスタンス。さっそくツイッターやフェイスブックなどのSNS上では、自分の名前に「千」が付く人が、それをこっそり「干」に変えて反応を伺うなど、事件をネタに遊んでいる光景が見られます。

 残念ながら自分の名前に「千」や、あるいは「臼」「白」がついていなくても大丈夫。この出来事をネタにする余地は、たくさんあります。あなたがもし千代田区や千葉県や千駄木や、あるいは京都の三千院に縁があれば、話題の新鮮味が薄れないうちに「もしかしたら、間違えて『干』になっている看板があるかもしれないよ。探しに行ってみよう!」と無邪気にはしゃぎましょう。まさに千載一遇のチャンスです。

 ちなみに、愛知県瀬戸市汗干町(あせびちょう)や愛媛県今治市衣干町(きぬぼしちょう)など「干」がつく地名に住んでいる方も、うかうかしている場合ではありません。「もしかしたら、間違えて『千』になっている看板が……(以下同)」とはしゃいで、粋な大人っぷりを見せつけましょう。

 似ている漢字は「千」と「干」以外にも、たくさんあります。大河ドラマの舞台にもなっている山口県萩市の「萩」と、東京都杉並区荻窪の「荻」は、お互いにさんざん間違えられてきたはず。「『萩市』って10回言ってみて」「萩市、萩市、萩市……」「阿佐ヶ谷と吉祥寺のあいだにある町は?」と、懐かしの10回クイズを出してみるのはどうでしょうか。もし相手がこんなわかりづらい意図を汲んでくれたら、一気に距離が縮まりそうです。

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン