芸能

AKB48卒業生の囲碁アイドル 石運びは超心配性で守るタイプ

昨年、囲碁大使に任命された戸島花さん

 アイドルと囲碁。これ、ミスマッチのようで、そうではない。

「囲碁ガール」をご存じだろうか。20代、30代の女性を中心に、年配のかたまで。ここ数年、囲碁は女性の間でブームになってきている。

 ファン層は女性や学生、子どもと、若い世代に広がっており、昭和から平成になったくらいからイメージはがらりと変わった。囲碁は年配の男性が打つもの。そんな時代はもう過去のものになりつつある。

 東京大学や京都大学、早稲田大学、慶応大学、青山学院など、名だたる大学20校で囲碁が単位の取れる正課となっていて、今後もまだまだ増える予定だという。それも定員の何倍もの学生が履修を希望するほどの人気ぶりだ。これがもう何年も続いている。

 囲碁で培われる思考力、集中力、コミュニケーション能力などの向上が、学生の人間力アップに大いに役立つと、大学側も囲碁人気を歓迎している。

 さらに、小学校の授業、学童保育などでも囲碁は定番になり、今や20代以下の世代で「囲碁ができる」人の割合は20%に迫る勢いだ。新入社員研修に囲碁を採り入れる企業も増え、囲碁は若い世代にも、女性にも身近な存在になっている。

 そんな中、囲碁の総本山である公益財団法人・日本棋院から白羽の矢を立てられ、「囲碁大使」を任命されたのが、女優・タレントの戸島花さん(27)だ。

 戸島さんはAKB48の初期メンバーとして芸能界デビュー。2008年にAKB48を卒業した後は「舞台」を中心として活動をしており、昨年からNHK「囲碁フォーカス」(Eテレ/日曜午後0時~)の司会も務めている。

 戸島さんが碁を打っているところを見せていただいた。石運びは堅実なのだが、ときどきものすごくがんばった手を打っていた。本人は「超心配性でとことん守るタイプ。でもそれではだめだと、最近は、攻めの碁を勉強中です」。なるほど、おっしゃる通りだ。「囲碁フォーカス」講師である囲碁棋士の小松英樹九段も、戸島さんの碁を「慎重派」と分析した。また、番組スタッフは戸島さんを「まじめ」「しっかりしている」と口を揃える。

 戸島さんが芸能の仕事を目指したのは、かつて筧利夫さんや渡辺いっけいさんらも所属していた「劇団新感線」の舞台を見て感激したのがきっかけだ。

「客席じゃなく、舞台に立つ側の人になりたいと、ふと思ったんです。でもどうしていいか分からないから、なんとなく選んで応募した3つのオーディションのうちのひとつがAKB48でした」

 AKB48、舞台、囲碁。この3つの共通点を見ていくと、戸島花の生き方がわかってくるような気がする。AKB48は「会いに行けるアイドル」としてブレイクした。舞台は観客と同じ空間で作品を演じていく。

 そして囲碁は、相手がいないと打てない。囲碁の別名は「手談」という。たとえ言葉が通じなくても、着手で相手の考えていることがわかり、自分の考えも示すことができる。今はインターネットで打つ方法もあるが、戸島さんは「私は苦手です。相手の顔を見て打ちたいのです。世界中の人といつでも打てる利点はわかるのですが……」。

 人との絆、直接のふれあいを大切にしている。そんな気持ちが伝わってきた。

関連記事

トピックス

愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
中国の習近平国家主席(右)と握手を交わす二階俊博氏(2015年5月23日、中国・北京。写真/EPA=時事)
《「媚中政治家」たちの歴史》中国に擦り寄りパンダをエサに利用された政治家たち 二階俊博・元自民党幹事長、森山裕・前幹事長、林芳正・総務相らの“実績”
週刊ポスト
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
亡くなったアンナ・ケプラーさん(TikTokより)
巨大クルーズ船で米・チアリーダー(18)が“謎の死”「首を絞められたような2つのアザ」「FBIが捜査状況を明かさず…」《元恋人が証言した“事件の予兆”》
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト
亡くなったテスタドさん。現場には花が手向けられていた(本人SNSより)
《足立区11人死傷》「2~3年前にSUVでブロック塀に衝突」証言も…容疑者はなぜ免許を持っていた? 弁護士が解説する「『運転できる能力』と『刑事責任能力』は別物」
NEWSポストセブン