国内

夜の子供部屋を徘徊する恐怖の市松人形 退治したのは飼い猫

 夜な夜な人形が部屋の中を動き回っている──そんな恐怖体験をしたのはパート勤務の女性Rさん(42才)。その恐怖から救ってくれたのは一体? Rさんが告白する。

 * * *
 今から20年前、私が小学6年生の時のこと。家族で築20年ほどのマンションに引っ越しをしたんです。はじめて1人部屋をもらって喜んだのもつかの間、その夜から、恐怖が始まりました。

 深夜、シュシュ、シュシュという、何かを引きずるような音で私は目を覚ましました。

 怖くなって布団をかぶり、昔、おばあちゃんから「怖いことがあったら唱えなさい」と教えてもらったお経を心の中で唱えました。すると、次第に音が小さくなって、やがで消えていったのです。

 そんなことが10日ほど続いた日のことです。今度はベッドに、ガンッ、と何かが当たった衝撃があり、目が覚めました。怖くなって、いつものようにお経を唱えたのですが、シュシュ、シュシュという音は消えず、むしろ大きく、しかも速くなっていきます。私は、かぶっていた布団の足のほうを少しめくって、その隙間から外側を覗き込んでみました。すると、ピタリと音がやんだのです。

 思い切って、布団から頭だけを出してみました。すると、ベッドの端にボロボロの市松人形の頭が見えたのです。それは今まさに、小さな手をベッドに乗せて、はい上がろうとしているところでした。

 私は布団をかぶって身を縮め、必死にお経を唱えました。シュシュ、シュシュという音が、またし始めました。その音は、人形の衣擦れの音だったのでした。

 それから5分くらい経ったでしょうか、また音がやみました。私は恐る恐る、目の前の布団を少しだけめくってみました。すると目の前に、あの市松人形の顔が。ニヤリと顔をゆがませると、「無駄だよ」と、頭に直接響くような声が聞こえました。

 私はあまりの恐怖に気を失い、気づくともう朝になっていました。このことを両親に話したのですが、「はいはい」と言うばかりで全く取り合ってもらえません。でも祖母だけは別でした。飼っていた猫を連れてきて、「夜は一緒に寝なさい」と貸してくれたのです。

 その夜、夢の中で、「ギャー」っと、猫がけんかをするような激しい鳴き声を聞きました。朝起きてみると、猫は澄ました顔をしていましたが、窓際には、争った跡のようにたくさんの動物の毛が落ちていました。そして不思議なことに、その後、パッタリとあの音がしなくなり、市松人形も出なくなったのです。猫が追い出してくれたのかもしれません。

※女性セブン2015年9月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン