国内

北京で京野菜晩餐会開催 日本野菜持ち込みは当初困難だった

「とうがらしなのに、なぜ甘いのか?」

 万願寺とうがらしや伏見とうがらしを食べた中国の要人やシェフたちが不思議そうにたずねる。

 今年6月21日、JAグループ京都が、『京野菜を使った大晩餐会』を中国・北京で開催し、京都の食や農業の魅力をアピールした。晩餐会の舞台は、中国の女性で名誉主席の称号を贈られた宋慶齢ゆかりの邸宅『宋慶齢故居』で、清朝最後の皇帝・溥儀の父親の邸宅でもあった世界的な文化財である。

 当初は、中国へ日本の野菜を持ち込むことすら不可能と思われた。福島の原発事故以降、日本食材に対する規制が厳しく、東日本のうち10都県産のものはすべて持ち込み禁止。西日本産も条件つきで受け入れるとされているが、その条件すら決まっていないため、持ち込むための手段がない。日本大使館も農林水産省も、京野菜の持ち込みは無理だという回答だった。

 しかし、JAグループ京都の中川泰宏会長は何度も北京に足を運び、関係機関と協議を重ねた結果、今回は中国政府、宋慶齢基金会との協力のもと、日中の食文化交流として特別に食材の持ち込みを認めるという異例の措置がとられた。

「開催場所が宋慶齢故居であったため、女性の文化交流会も提案しました。日本から参加した30~70代の農家の女性たち75名がお手玉や浴衣の着付けを教え、日本茶の淹れ方も実演しました」(中川会長)

 晩餐会の参加者は総勢337人。日本側は政府関係者、農業者、マスコミ、JAグループ京都役職員など237人、中国側は政府関係者、料理・流通関係者、マスコミ100人だった。

「私のテーブル周辺では、野菜で作った寿司の評判がよかった。賀茂なすの田楽の味にもびっくりしていたし、山芋のデザートもおいしいと。日本料理のすばらしさは、しっかりと伝わったと感じます」(中川会長)

※女性セブン2015年9月3日号

関連キーワード

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン