ライフ

秋バテ解消のためには咀嚼とちょっとキツい運動を生活習慣に

 お盆以降、全国的に涼気を感じるようになった。特に関東以北では10月下旬並みの寒さを感じる日もある。「今年は残暑も厳しくなくて、過ごしやすい」と思っていたはずなのに、体の重みや、だるさ、頭痛などを感じている人はいないだろうか。

 東京有明医療大学教授で医師の川嶋朗さんが言う。

「季節が秋に変わる時、疲れやすい、やる気が出ない、食欲が落ちる、眠れない、逆に寝ても眠いといっただるさを感じたら、それは“秋バテ”です。自律神経の乱れにより体が不調になる点は夏バテと同じですが、ぜんそくなどのアレルギー疾患が出てきやすいのが秋バテ特有の症状で、秋は低気圧になり、空気中の酸素濃度が少し低いことが原因です。酸素が少ないと体が低酸素に耐えられるよう“お休みモード”に入り、副交感神経が優位になることでアレルギー症状が出やすくなるのです。

 また、秋雨が降って湿度が高くなると、体内でヒスタミンの分泌が増えます。ヒスタミンは炎症を引き起こすため、頭痛、肩こり、腰痛、リウマチといった痛みが酷くなる可能性があります。

 さらに、近年は夏でも体を冷やしてしまう。薄着でエアコンの効いた部屋で過ごし、冷たい飲み物やアイスをよく口にします。すると体が冷え、体は体温を維持するためにエネルギーを使います。運動不足で基礎体力が低い人は気づかないうちに体力を奪われ、夏バテになる。そのまま秋になって、気圧が変化することで秋バテに罹りやすくなってしまうのです」

 夏バテより、さらに厄介な秋バテ、特に今年の秋は要注意だと川嶋さんは続ける。

「記録的な猛暑日が続いた後、急に気温が下がりました。そうした気温の乱高下が起きると、体温調整にさらに体力を使ってしまい、秋バテを発症しやすくなります。元来、人間は体温調節ができて気温の変化に対応できる恒温動物です。高齢者に熱中症が多いのは加齢で体温調節機能が衰えるからですが、若い人でも衰えている人が多い。それは、夏でも体を冷やし、常に体温を調整しようとエネルギーを使っているため自律神経が乱れてしまったから。ここ数年の日本人は体温調整ができない変温動物になってしまいました」

 せっかく過ごしやすくなったこれからの季節、体調を崩すことなく快適に過ごしたいもの。秋バテ解消のために、取り入れたい生活習慣がある。それは、「咀嚼」と「ちょっとキツい運動」だ。

「よく噛むと神経ヒスタミンが分泌され、内臓脂肪を燃やしながら体温を上げる効果があるばかりか、満腹中枢を刺激するので過食が防げます。しかも、咀嚼にはリラックス効果もあり、ストレス対策になります。少しキツい運動は、時間をかけずに日常生活で少し無理をすること。たとえば洗濯物を干す時に1枚、1枚しゃがんでみる。10枚干すと10回のスクワットになります。台所ではつま先立ちをし、駅では必ず階段を使う。これだけで意外と体力を使います。脂肪も燃焼され、ストレス耐性もつきます。また、体を冷やす食べ物は避けましょう。根菜、納豆や味噌、漬物などの発酵食品がオススメです」

※女性セブン2015年9月17日号

関連記事

トピックス

モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
「港区女子がいつの間にか…」Nikiが親密だった“別のタレント” ドジャース・山本由伸の隣に立つ「テラハ美女」の華麗なる元カレ遍歴
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン