ビジネス

大人も取り込むおもちゃ市場 黒ひげ、けん玉、ドローンまで

プラモメーカーの童友社(東京・荒川区)が販売するドローン

「妖怪ウォッチ」や「アナと雪の女王」などアニメのヒットにより、昨年度は7367億円と過去10年で最高の市場規模(日本玩具協会調べ)となったおもちゃ業界。

 今年に入ってもその勢いは衰えていない。9月2、3日に東京都内で行われた「クリスマスおもちゃ見本市2015」では、早くも年末商戦に向けてメーカー各社のイチオシ商品約1万点が所狭しと展示された。

 スマホの普及が子供の世界にも波及し、通信機能やカメラ機能を備えたハイテク系玩具が浸透していることは当サイトでも度々報じてきたが、見本市では40代以上の大人が思わず「懐かしい!」と目を輝かせてしまうアナログのロングセラー商品も注目を浴びていた。

 剣をタルの穴へ順番に刺していき、人形が飛び出した人が負け――。タカラトミーを代表する玩具『黒ひげ危機一発』は、発売から今年で40周年を迎えた。同社の広報担当者によれば、累計販売は全世界で1300万個に及ぶという。

「最近は黒ひげ人形の代わりにディズニーキャラクターを載せてみたり、100本の剣の裏に『今まで付き合った人の人数は?』などの指令が書いてあり、負けた人が答えなければならないといったパーティーで盛り上がる商品を出したりと、常に進化させています」(広報)

 エポック社の『野球盤』はさらに古い。初代の発売からすでに57年が経過し、現在売られている最新型は何と50代目を数えるという。こちらも累計販売台数は1300万台で、今年4~8月も昨年対比200%と、いまなお人気は上昇中だ。

「2011年の震災以降、野球盤だけでなく、『人生ゲーム』など家族揃って遊べるおもちゃの売れ行きが再び伸びました。野球盤の新型(3Dエース)は、多彩な変化球が投げられるだけでなく、ボールが飛ぶので、よりリアルな遊び方ができます」(エポック社広報担当者)

 パブル&ゲームの専門メーカーとして、往年の『ダイヤモンドゲーム』など人気ボードゲームも数々生み出してきたハナヤマも、一台で野球、リバーシ(オセロ)、ジャンポン(簡易マージャン)と3種類のゲームが楽しめる『ゲームスタジアムセレクション』を10月13日に発売し、世代を超えたボードゲーム需要の取り込みを狙う。

 バンダイの『ケンダマクロス』等のヒットで、再び遊び熱が高まっているのは、けん玉だ。出版社の幻冬舎は書籍と連動させる形で、〈LEDライト+効果音・メロディ音〉を発する『SUPERけん玉』シリーズを販売している。

「けん玉は一昨年あたりから再びブームとなっていて、小学校で“伝承遊び”として用いられたり、20代の若者が裏原宿でカッコよくけん玉を操ったりする様子が見られるようになりました。

 また、認知症予防に効果的とテレビ番組で紹介されたこともあり、大人が購入するケースも目立ちます」(幻冬舎エデュケーション局の担当者)

関連キーワード

関連記事

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン