国内

「物々しい」報道の山口組本部 警察と記者が舞い上がっただけ

“日本最大の暴力団”山口組の分裂が明らかになって以降、連日、新聞やテレビでは関連ニュースが流れている。『ヤクザ1000人に会いました!』などの著作があり、いま日本でもっともヤクザに詳しいライター・鈴木智彦氏が、山口組本部で「定例会」が行なわれた9月1日の様子をレポートする。

 * * *
 9月1日、午前9時半、騒動後初の「定例会」(原則月1回)が行なわれる、神戸市灘区篠原本町の山口組本部の裏口でタクシーを降りた。

 あちこちの辻で、マル暴(暴力団担当刑事)がカメラを構えている。会釈をしながら正面玄関まで歩くと、兵庫県警の真っ赤なカラーコーンが置かれ、見慣れない県警広報(現実的にはマスコミが調子に乗らないよう監視・注意する役目)が居並び、三脚が乱立していた。カメラマンや記者は総勢40~50人ほどだろうか。兵庫、大阪、愛知各県警、警視庁など、警察関係者の合計はそれ以上だ。

 ヤクザ記事を生業としている実話誌部隊が見当たらないので、知り合いに電話した。

「新神戸駅で張ってます」

 新幹線から降りてくる姿を撮るという意味だ。実話誌が欲しいのは、騒動直後の親分衆の表情である。本部前に陣取っても、シャッターが開いた瞬間、道路の反対側から門のすぐ奥が見えるだけで、母屋の玄関も車に乗り込む姿も窺えない。普段の定例会では多少サービスがあって姿を見せてくれる直参(二次団体組長)もいるが、今日は期待できない。

 割り込むのも億劫なので端に陣取り、一眼レフを取り出す。

「山口組本部前は物々しい警戒で、緊張感に包まれております!」

 地元テレビ局のレポートに吹き出してしまった。なにしろ山口組の様子はまったく分からないのだ。「警察と記者クラブが舞い上がっている」というのが正確な描写だ。

関連記事

トピックス

日本のブライダルファッションの先駆け的存在、桂由美さん
《芸能人も多数着用》桂由美さんが生前嘆いていた「ナシ婚」 ウエディングドレスで「花嫁を美しく幸せにしたい」強い思い
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
小野寺さんが1日目に行った施術は―
【スキンブースター】皮下に注射で製剤を注入する施術。顔全体と首に「ジュベルック」、ほうれい線に「リジュラン」、額・目尻・頰に「ボトックス」を注入。【高周波・レーザー治療】「レガートⅡ」「フラクショナルレーザー」というマシンによる治療でたるみやしわを改善
韓国2泊3日「プチ整形&エステ旅行」【完結編】 挑戦した54才女性は「少なくとも10才は若返ったと思います!」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン