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足のむくみの正体 血液に戻れない細胞間にたまった余剰水分

 20~50代の女性1万人に聞き取りした足のむくみに関する実態調査(2012年、エスエス製薬が足のむくみの経験有無を予備調査)によると、2人に1人(50.8%)が足のむくみを経験している。また、実際にむくみがあったという女性に対する調査では、つらい症状ベスト3は「だるさ42.7%」、「重量感を感じる24.5%」、「冷えやすくなる20.2%」となった(前出調査の中から、過去1年に足のむくみを経験した1000人の女性を本調査)。

 しかも、ほとんどの人がむくみ対策をしているにもかかわらず、それに満足している人はわずか38.3%にすぎないという。そもそも、脚のむくみはなぜ起こるのか。

 むくみに詳しい帝京大学の医学博士・新見正則さんによると、「むくみは人類の宿命」という。

 血液は心臓から動脈を通じて体内に送られ、静脈を通じて心臓に戻る。四足動物の場合、血液はスムーズに心臓へと戻ることができるが、ヒトのように起立した場合、体内を巡った血液を脚から心臓へ戻すには相当な負荷がかかる。

「血液中の水分は細胞に送られ、余分な水分は再び血液中に戻ります。ところが、長時間同じ姿勢で脚を動かしていないと、脚の筋肉が心臓へ血液を戻す力も弱まり、血流のスピードがダウン。血液中に戻れない余剰水分が細胞と細胞の間にたまり、皮膚下の組織がパンパンに膨らみます。これがむくみの正体です」(新見さん。以下「」同)

 夕方むくんで、寝たら翌朝スッキリ、また夕方になるとむくむ。毎日がこの繰り返しなら、それは生きている証。

 しかし、加齢により体のあらゆるパーツが劣化し、活動量も減って代謝も落ちる。加えて歩かない、長時間座りっぱなし、睡眠時間の減少など、ライフスタイルの変化がむくみやすい体に拍車をかけていると新見さんは言う。

「朝まで残る脚のむくみ、片脚だけのむくみの場合、病気の疑いがあります。むくみが残るのは心臓疾患、腎臓疾患など全身にかかわる病気、片脚だけむくむ場合は、静脈の詰まりの可能性が。症状が続くようなら、早めに受診や投薬が必要です」

 むくみを疑う場合は、昨日までの自分とむくんでいる今日の比較で判断を。

 たとえば、“飲酒や寝不足など不摂生をしていないのに、今日は会う人ごとに顔がむくんでいると言われる”“鏡に映る顔が、あきらかに昨日よりむくんでいる”などの場合は要注意。

「規則正しい生活をしている場合、心臓よりも上にある顔がむくむことはまずない。顔がむくんでいると感じた場合、自分では気づかなくても、実は顔だけでなく、全身がむくんでいるので気をつけて」

※女性セブン2015年9月25日号

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