秋から新しく始まる「釣りバカ」も、往年のファンがたくさん見ると思います。これまでの主演、西田敏行さんの残像がみんなの脳裏に焼き付いているので、濱田さん本人も相当なプレッシャーを感じているでしょう。でも私は、濱田さんは違和感なく作品の中に溶け込めるのではないかと見ています。というのも、西田さんと濱田さんにはいくつかの共通点があるからです。
まず、体型ですね。2人ともぽっちゃりした雰囲気がよく似ています。福士蒼汰さんや松坂桃李さんみたいな長身のイケメン俳優は欧米的なスラっとした体型をしていますが、西田さんや濱田さんは古き良き日本人といいますか、身長がそれほど高くなく、丸っこいイメージがあります。愛嬌があって憎めない顔立ちをしているので、普通にしているだけでもどこか面白い。ちょっとした仕草だけでもクスっと笑わせてくれます。
そしてどちらも演技派であるという点。濱田さんは子役時代から演技力が突出していて、『金八先生』に出演した際も、武田鉄矢さんにその将来性を見抜かれていました。『金八先生』の後も芸能活動を続けられる子役はほんの一握り。武田さんは、濱田さんが間違いなく役者を続けるだろうと見越して、最終回で他の生徒役が泣いている中、唯一濱田さんにだけは泣くことを許さなかったそうです。それだけ演技として高いレベルの要求をしていたというわけですね。
イケメン俳優というのは、20代後半以降から30代に必ず壁にぶつかります。演技や存在感等、ルックス以外の武器を磨き続けなければ、若い頃のように仕事をし続けることが難しくなります。フレッシュな10代~20代前半の若手俳優も毎年どんどん出てきます。そういう意味では、イケメン枠でないにもかかわらず多くの実績を残している濱田さんは、今の20代の役者さんの中で10年後の活躍が確実視できる稀有な役者さんだといえます。今も旬な俳優さんですが、その時には一人勝ちしているかもしれませんね。