国内

神戸山口組に「関東武闘派」が接近して歌舞伎町が揺れている

“日本最大の暴力団”山口組分裂の波紋は止まらない。両派の対立は山口組本部のある神戸にとどまらず、全国各地の暴力団まで巻き込んだ。ヤクザに詳しいフリーライター・鈴木智彦氏が現状をレポートする。

 * * *
 山口組の分裂抗争は、緻密な情報戦になっている。双方からのリークが、連日、警察やマスコミを振り回しているのだ。ヤクザ社会では親分・子分の盃が絶対とされる。それをひっくり返さねばならない離脱派は、特に活発に動いている。

 9月4日、離脱派の最大派閥である山健組事務所で記者会見が行なわれるという噂が広まりマスコミが殺到した。テレビ、新聞はもちろん、週刊誌各誌はグラビア班を送り込み、花隈駅近くの事務所前道路はカメラマンでごった返した。

「記者会見なんて話は聞いてない」

 地元の兵庫県警が首を傾げるなか、結局、山健組の組長たちの出入りを撮れただけで空振りだった。前日に離脱派から「明日は山健組の寄り合いがある。マスコミを集めておいてくれ」と電話を受けた実話系週刊誌が噂の大本で、伝言ゲームで伝わるうちに記者会見という話になったらしい。それを警視庁がキャッチし、警察をネタ元にするマスコミに拡散したのだ。

 情報戦は翌5日も続いた。今度は同じ山健組の事務所に離脱派の組長たちが集まり、東京を拠点とする住吉会の二次団体、幸平一家の加藤英幸総長も合流するという。加藤総長は住吉会のナンバー3で、関東屈指の暴力派(武闘派)と評される組織を率いてきた人である。離脱派が山口組系以外の他団体を取り込むという噂は当初から流布されていた。他団体の取り込みが現実となれば山口組のお家騒動が、暴力団社会を巻き込んだ生存競争に変わる。東京・新宿歌舞伎町に事務所を構える指定暴力団幹部は次のように話した。

「過去、この歌舞伎町を地盤として数々の暴力事件を起こしてきた加藤さんの名前は特別なバリューだ。どういう形か分からなくても、友好関係をはっきり示したわけで、最高の贈り物になったはず」

 住吉会、稲川会、山口組などの暴力団がひしめく歌舞伎町だけに、各組織の動向は大きな関心事ではある。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン