芸能

河合奈保子デビュー35周年 アイドルの王道を歩み続けた魅力

今年でデビュー35周年となる河合奈保子

 アイドル全盛時代の1980年代にトップアイドルとして君臨した河合奈保子。1996年に結婚を機に芸能活動を休止したが、今でもファンに愛され続けている王道アイドルだ。今年でデビュー35周年となる河合奈保子の魅力について、社会学者の太田省一氏が解説する。

 * * *
 キャンディーズ、ピンク・レディー、山口百恵らが引退し、次世代のスターが渇望されていた1980年、日本レコード大賞の新人賞に選ばれたのは田原俊彦、松田聖子、そしてこの年デビューしたばかりの河合奈保子だ。アイドル黄金期の幕開けだ。

 1980年代のアイドルには松田聖子のようなブリっ子タイプと、中森明菜のように男性に媚びないようなタイプがいたが、河合奈保子はそのどちらにも属さなかった。それでも、無数のライバルがいた時代にトップアイドルとして君臨し続けられたのは、アイドルとしての素養がすべて備わっていたからである。

 圧倒的な歌唱力。童顔で抜群のプロポーション。バラエティ番組に出演しても余計なことを話さない純朴さ。数多のアイドルが私生活を暴露される中にあって、スキャンダルとも無縁だった。ファンを決して裏切らない安心感こそが河合奈保子の人気を支えていた。

 第一線で活躍し続けるのが難しいアイドル界にあって、松田聖子はずば抜けた歌声と、スキャンダルをも逆手にとり飛躍し続ける。一方、学生時代からピアノ、ギター、マンドリンなどの楽器に慣れ親しんでいた河合奈保子は、大ヒット曲『けんかをやめて』を作曲した竹内まりやの影響を受け、シンガーソングライターとしての才能も開花させていった。

 1996年、結婚を機に芸能活動を休止。時を経ても愛され続ける理由は、アイドルの王道を踏み外すことなく歩み続けたからにほかならない。

◆河合奈保子(かわい・なおこ):1963年7月24日生まれ。大阪府出身。1980年「HIDEKIの弟・妹募集オーディション」で優勝し、同年『大きな森の小さなお家』でデビュー。日本レコード大賞新人賞を受賞。翌年『スマイル・フォー・ミー』でNHK『紅白歌合戦』に出場するなどトップアイドルとなり、計36曲のシングルをリリース。1996年の結婚を機に活動を休止した。8月にアルバム『私が好きな河合奈保子』が日本コロムビアより発売された。

※週刊ポスト2015年9月25日・10月2日号

トピックス

民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン