邦画で注目しているのが、黒沢清監督が今年のカンヌ国際映画祭『ある視点部門』で監督賞を受賞した『岸辺の旅』(10月1日公開)。深津絵里(42才)と浅野忠信(41才)が夫婦を演じる。ずっと行方不明だった夫(浅野)がある日突然帰ってくるが、彼が“オレ死んじゃったんだよ”と告白するところから物語が動いていく。

「夫は行方不明の時にお世話になった人たちに“きみも一緒に挨拶に行こう”と言って、旅に出るんです。妻はあまり感情を表に出さないんだけど、かつての浮気が明らかになったときに感情を爆発させる。その落差が“わかるわかる”って思えるはずです。

 そんなものわかりいい奥さんいないよねって。そうやって旅をするんだけど、いつまでも永遠に死んだ夫がいてくれるわけじゃないっていうことが、見てるほうにもすごくわかるし、そこがすごく切ないんだけど、でも会いに来てくれただけ、死んだんだよって教えに来てくれたことが愛情だなと感じられる。見終わった後、夫婦の関係をちょっと振り返るというか、見直すような気持にもさせてくれる映画です」

『マジック・マイク XXL』(10月17日公開)も要チェックだという。

 日本では2013年に公開された『マジック・マイク』の続編。一度辞めた男性ストリッパーが、仲間と会ううちにもうひと花咲かせたいと旅をする物語だ。

「主役のチャニング・テイタムに電話取材したときに“女性のことをちゃんと描かないといけないと思う”と話していたとおり、例えば離婚したばかりの女性が、一晩の男性ストリップを見るうちに心がほぐれていく様子が描かれています。出てくる女の人たちが自分に置き換えられるような悩みを抱えていて見ていると引き込まれていきます。もちろん男の友情もあるし、目の保養にもなるし、ストーリーもいいです」

※女性セブン2015年10月1日号

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