ライフ

周りにいると厄介なナルシスト リーダーにすれば頼りになる

 ダイエット目的でジムに通いだしたはずが、いつの間にかムキムキに…。そんな人が周りにいないだろうか? 肉体改造にハマった友人に困っているという女性の相談に、東京未来大学・こども心理学部長の出口保行さんがお答えする。

【相談】
ダイエットが目的で友人の栄子とスポーツクラブに通い始めて2年。私はちょっとやせられたので大満足ですが、栄子は肉体改造にハマり、筋トレに没頭しています。プロテインはもちろん、食事も鶏のささみと野菜のみ。話は筋肉自慢と日焼けサロンのことばかり。周りはドン引きなんですけど…。 (東京・佐恵・41才)

【回答】
 20才を過ぎると、筋肉は年々落ちていくといいますから、筋トレはいいことのはず。でも、それも程度の問題。栄子さん自身で自己完結していればいいのでしょうが、もし、周りの人まで巻き込んでいるのなら、考えものですね。

 栄子さんはいわゆる“ナルシスト”だと思われます。このナルシスト、心理学的には“ナルシシスト”といって、“ナルシシズム”という心理学用語からきています。

 ナルシシズムとは自己愛のこと。このナルシシズムを示す人がナルシシストです。

 ナルシシストといえば、自分に酔っている人と思われていますが、そうではありません。自分というものがきっちりあって、それ中心に物事を考える人のことです。自己中心性が高いので、すべて自分と関連づけて考えないと気がすまないのです。

 重要なのは他者評価ではなく自己評価。言い方を変えれば、自分がブレない人です。佐恵さんが栄子さんの体形を見て、「もう充分では」と言っても、本人が「まだまだ」と思っているなら、トレーニングはやめないでしょう。

 このタイプは、周りから見るとどうでもいいと思えることにこだわる。おまけに人のアドバイスは受けつけないので、グループの中でやっかい者になることもあります。

 つまり、いい人間関係を築くために必要な、健全な関係をつくりにくかったり、時には非常識な行動をとったり、攻撃的になることもあります。

 一方、自己満足できる状態であれば、自尊心が高く、穏やかで、リーダーとしての資質が高まる傾向もあります。

 ただ、うまくいくといっても、会社人というよりも起業家としてであり、社会の中でうまく合わせながら生きていくのは苦手なのが一般的です。

【対策】
 ナルシシストとつきあっていくなら、相手の価値観を共有するしかない。ですから、佐恵さんも栄子さんと今後も友人づきあいを続けるなら、彼女の筋トレのハマり具合に引くのではなく、彼女の気がすむまで筋トレの話題を聞き、それを「いいことだ」「がんばっている」というように、肯定できるようになるしかないのです。

 それができないなら、残念ですが、栄子さんとのつきあいをやめるしかないでしょう。 友達や知人だとつきあっていくのに、やっかいなことが起こりがちなナルシシストですが、仕事のパートナーとなると状況は変わってきます。

 このタイプはどんなことでも自分の能力でやろうとするので、もしできなくてもほかの人に責任転嫁はしません。

 失敗したら、普通の人はいろいろな理由を考えて、何とか中和しようとしますが、ナルシシストはすべて自分のせいだと、責任を取る潔さがあります。最近はそうでもないようですが、かつては政治家に多かったタイプです。

 ですから、仕事で同じグループになったなら、リーダー的な役割を負わせてみることです。とても頼りになるはずです。

 もちろん、その仕事のがんばりは、グループのメンバーのためではなく、自分のためだったりするのですけどね。

※女性セブン2015年10月15日号

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン