「改造で多くの閣僚を入れ替えると、新閣僚の政治資金問題が洗い出されて前回の小渕優子のように辞任に追い込まれかねない。総理はそれで支持率が下がるのに懲りているから、閣僚を代えたくない」(官邸筋)

 という理由からだ。

 官僚人事も同じだ。外交戦略は失敗続きで、北朝鮮との拉致交渉やロシアとの北方領土交渉に前進がない。それでも、首相は交代説があったお気に入りの斎木昭隆・外務事務次官の続投を決め、責任を問わなかった。

 まるで引退間際の総理大臣が“穏やかな余生”を求めているようではないか。だが、安倍政権はまだ折り返し点に立ったところで、総裁任期は3年もあり、これから政治でも外交でも重要な日程が続く。

 来年5月(26~27日)には伊勢志摩サミットがあり、首相は議長役を務める。このサミットの焦点はロシアのプーチン大統領の出席問題だ。

 ロシアは2014年のクリミア危機以来、サミットから排除されているが、安倍首相は「プーチンを招待するかわりに、ロシアとの平和条約締結交渉(領土交渉)を前進させようと水面下で交渉してきた」(外務省筋)とされる。

 しかし、首相は拉致問題で北朝鮮に調査の遅れを抗議する気力さえ失っている。ロシアとの領土交渉でも、ロシア側は8月にメドベージェフ首相が択捉島を訪問し、北方領土の実効支配を強化するための布石に余念がない。首相がよほどしたたかな手腕を発揮しない限り、プーチンをサミットに招待したはいいが、肝心の領土交渉は反故にされるという、拉致交渉失敗の二の舞を演じかねないのだ。

※週刊ポスト2015年10月16・23日号

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