国際情報

サッチャー女史 「EUは失敗します」と落合信彦氏に予言した

 ヨーロッパの難民受け入れを「美談」と報じるメディアは浅はかだ、と作家の落合信彦氏は警告する。難民たちを乗せたボートがトルコ沖で転覆し、3歳男児を含む12人が死亡した。浪打ち際でうつぶせになっている3歳男児の遺体写真をきっかけに欧州各国は難民受け入れを拡大する方向に急転回したが……。落合氏は以下のように考える。

 * * *
 祖国を追われ、溺死した男児は本当に気の毒だ。しかし、悲劇はいまに始まった話ではない。今年4月にはリビア沖で約700人の難民を乗せた船が転覆し、そのほとんどが死亡した。8月初めにも同じくリビア沖で難民600人乗りの漁船が沈没、200人以上が死亡している。全長5~6mのゴムボートに20人以上も乗せられ、荒波のなか漕ぎ出すケースも多い。
 
 オーストリア東部では、放置された冷凍トラックから難民71人の遺体が発見された。難民たちは密航斡旋業者によってトラックに詰め込まれ、酸欠や脱水症状で死んだのだ。その中には子供4人も含まれていた。

 流れ込む難民を一時的に止めるには、まず密航斡旋業者を探し出して刑に処するべきではないか。あるシリア人は彼らに40万円支払ったという。小さな船に難民を乗せて、到着地に近づいたら、彼らは自分たちのボートで逃げる。彼らこそ人殺しだろう。

 混乱と悲劇の責任の一端は、ヨーロッパ側にもある。

 難民がヨーロッパを目指すのは、加盟国の間では国境検査なしで移動できる「シェンゲン協定」があるからだ。同協定は1985年、ベルギー、フランス、ルクセンブルク、オランダ、当時の西ドイツの5か国が署名したことから始まった。その後、1997年に調印されたアムステルダム条約でシェンゲン協定がEUに取り入れられ、加盟国が26か国に増えて現在に至る。

関連キーワード

トピックス

10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
ヒグマが自動車事故と同等の力で夫の皮膚や体内組織を損傷…60代夫婦が「熊の通り道」で直面した“衝撃の恐怖体験”《2000年代に発生したクマ被害》
NEWSポストセブン
対談を行った歌人の俵万智さんと動物言語学者の鈴木俊貴さん
歌人・俵万智さんと「鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴さんが送る令和の子どもたちへメッセージ「体験を言葉で振り返る時間こそが人間のいとなみ」【特別対談】
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン