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ブラック介護の見分け方 職員同士の会話と表情を確認すべし

 パッと見や謳い文句に載せられていざ老人ホームに入居してみたら、実は「ブラック介護」だった──そんな目に遭わないために、事前に確認すべきチェックポイントについて専門家に聞いた。

 いうまでもないが、実際に入居者に介護を施すのは施設の建物ではなく介護職員だ。介護職員の対応が悪ければ、最悪、入居者への虐待にもつながりかねない。社会福祉学者で淑徳大学教授の結城康博氏がいう。

「いくら施設の建物がきれいでも、そこで行なわれている介護の質が悪ければ意味がありません。介護を提供するのは職員ですから、職員が働く環境がどうなっているのか、介護現場の雰囲気をしっかり見ておく必要があります」

 介護現場の実態をチェックするのは難しいが、見学の際にできるのは、職員にこと細かに質問することだと介護ジャーナリストの小山朝子氏はいう。

「細かい質問に職員がひとつひとつ丁寧に対応してくれるかどうかがポイントです。面倒臭がらずに答えてくれるかどうかは、入居者に対するひとつひとつのケアが丁寧なのかどうかの判断材料になります」

 もちろん見学者や入居者への丁寧な対応や言葉づかいも、“その時だけ”丁寧である可能性がある。そこでチェックしたいのが、職員同士の会話だ。見学者に対してはよそ行きの顔をしていても、見学とは関係のないところにいる職員同士の会話には“素”が出やすいからだ。

「職員同士が横柄な口のきき方をしているようなら、入居者に対しても横柄な態度を取る可能性があります。あとは職員の表情。楽しそうに働いているか、疲れてしんどそうにしているか。いっぱいいっぱいの状態で顔色が悪いようなら、働く環境が相当悪い」(前出・結城氏)

※週刊ポスト2015年10月16・23日号

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