スポーツ

暗黒時代の阪神 メジャーの大物や西本幸雄氏に監督打診した

 今も昔も阪神ファンは弱い阪神、いわゆる「ダメ虎」も見放さず、厳しい言葉を投げかけながら応援を続ける。だが、さすがに心が折れそうになった時代がある。1987~2002年、俗に「暗黒時代」と呼ばれる阪神の低迷期だ。藤田平監督時代の1996年に球団常務となった野崎勝義氏(元球団社長)が当時を述懐する。

 * * *
 その頃のタイガースは10年間で6位が5度、Aクラスが1度だけ。そして私の就任した年も最下位を走り、秋には藤田監督の解任騒動が起こりました。

 藤田監督には「今季限り」と伝えていたはずが、監督は「電鉄幹部からオーナーは続投の意向と聞いている」と主張した。三好一彦球団社長との押し問答が延々と続き、藤田さんが深夜まで籠城する形になりました。翌日に久万俊二郎オーナーが出馬して金銭補償で話がついたが、後味の悪いものでした。

 とにかく弱く、話題はグラウンド外のことばかり。私はこんな球団は生半可なことでは立ち直らないと思った。そこで外部から力がある人材を招聘して意識改革をしないといけないと考えた。

 その時は、メジャー屈指の名監督スパーキー・アンダーソンを次期監督に推薦しました。ア・リーグ、ナ・リーグでワールドシリーズを制覇した初の監督で、当時62歳。ただ、交渉は契約寸前まで話が進みましたが、最後の最後に夫人の猛反対に遭って成立しませんでした。

 阪急の元監督・西本幸雄さんら、名監督といわれた複数の野球人にも声をかけたのですがダメ。結局、三好社長と昵懇の仲だったOBの吉田義男監督の3度目の登板となったのですが、事態は好転しませんでした。

※週刊ポスト2015年10月16・23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
維新はどう対応するのか(左から藤田文武・日本維新の会共同代表、吉村洋文・大阪府知事/時事通信フォト)
《政治責任の行方は》維新の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 遠藤事務所は「適正に対応している」とするも維新は「自発的でないなら問題と言える」の見解
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン