国内

食の欧米化で乳がんリスク高まる 閉経後の肥満には要注意

 元女子プロレスラーでタレントの北斗晶(48才)が乳がんであることを発表し、手術を受けた。北斗の乳がんはリンパ節まで進行しており、5年後の生存率は50%という告知まで受けたという…。
 
「北斗さんは1年に1回乳がん検診を受けていたのになぜ…」という声が女性の間で挙がっている。その理由について、濱岡ブレストクリニックの濱岡剛院長はこう語る。

「腫瘍が乳頭の下にある場合は発見しにくい時があります。通常は、見つかったとして1cm前後のことがほとんどで、北斗さんのようなケースは極めて稀です。ただし、がんの種類によっては進行の早いものがあるのは事実です」

 だからこそ、習慣にしたいのは家で簡単にできるセルフチェックだ。

「1か月に1回のセルフチェックが、しこりに気づくきっかけになります。乳房にしこりがないか、乳房の位置が左右対称ではないかなど、直接手で触りながら変化がないか確かめましょう」(濱岡院長)

 医学博士で日本乳癌学会乳腺専門医の南雲吉則さんは、さらに予防意識を高めるために「毎日手のひらで体を洗うこと」を勧めている。

「お風呂で、タオルを使って体を洗っていると気づきませんが、手でなで洗いをすれば、なんだかリンパが腫れている、しこりがあるかもしれない、など自分の体の変化に気づきます。また、手のひらで洗うことで体の皮膚を必要以上に傷つけないので、老化も防げて一石二鳥です」

 そして、もうひとつの疑問。それは、北斗ががん家系ではなかったこと。国立がん研究センター疫学研究部の岩崎基さんが話す。

「多くの乳がんの要因はまだよくわかっていませんが遺伝よりはむしろ、女性ホルモンや生活習慣・環境が大きい」

 2013年には米国を代表する女優のアンジェリーナ・ジョリー(40才)が、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群を理由に両乳房を切除したことが話題になった。これは予防的切除といわれ、海外ではそう珍しくはない。しかし、この遺伝性のがんは全体の5~10%しかない。

「乳がんのリスクを高める生活習慣、つまり努力次第でなりやすさを変えられる要因は、喫煙と飲酒、閉経後の肥満。逆に、身体活動量が多い女性でリスクが低下するとされています」(岩崎さん)

 南雲さんもまた、食生活など生活習慣の重要性を説いている。

「食の欧米化が、乳がんのリスクを高めています。糖質の摂りすぎは肥満を招き、肥満ががんリスクにつながる。特に閉経後の肥満は要注意です。がん細胞は女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けて増殖しますが、閉経後、このエストロゲンは卵巣ではなく脂肪から生産される。ですから、閉経後は主食(白米、パン、麺)やお菓子を減らした食生活で太らないように気をつけましょう」

※女性セブン2015年10月29日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン