ビジネス

ノーベル賞報奨金は非課税なのに社長賞になぜ税金かかるのか

せっかく貰った報奨金も税金で目減り

 ノーベル賞の発表週間に決まって出る「賞金」の話題。今年も大村智さん(ノーベル生理学・医学賞/北里大学特別栄誉教授)、梶田隆章さん(物理学賞/東京大学教授で東大宇宙線研究所所長)と日本人がダブル受賞したために、その額はやはり注目を浴びた。

 賞金は経済学賞を除き、ノーベル財団が運営する基金から小切手で支払われる。

 2008年のリーマンショック以降、賞金額は少なくなる傾向にあるものの、梶田さんには800万スウェーデンクローナ(約1億1500万円)、生理学・医学賞は大村さん含め3人が受賞したので、配分規定により200万クローナ(約2900万円)が贈られる予定だ。

 日本では個人が賞金を受け取った場合、所得税の「一時所得」として課税されるのが一般的だが、ノーベル賞やオリンピックメダリストなどに贈られる金品については特別に「非課税の規定」が設けられているために、税金を納める必要はない。

「ノーベル賞では1949年に湯川秀樹さんが日本人初の物理学賞に選ばれたとき、オリンピックは1992年のバルセロナ大会で水泳の岩崎恭子さんがJOC(日本オリンピック委員会)より報奨金を受け取った際、『賞金に課税するのはいかがなものか』と議論に。そのため、所得税法第9条の〈非課税所得〉項目として追加された」(全国紙記者)

 規模の大小はあるにせよ、サラリーマンでも頑張って業績に貢献した人が表彰される「社長賞」や、長年勤務した社員の功績を称える「永年勤続賞」など報奨金の類は多い。

 だが、残念ながら所属企業から支給される賞金については、額にかかわらず“給与扱い”と見なされ、税金がかかってしまう。

 落合会計事務所の税理士、落合孝裕氏が解説する。

「例えば、自分の所得税を納め終えた社長がポケットマネーで社員に賞金を出すならば『贈与』にあたるため年間110万円以内は非課税ですが、それ以外に会社が支払う賞金については、まるまる課税の対象になります」

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン