ビジネス

松岡修造発の日めくりブーム 芸人、ジョブズ、顔ヨガも登場

八重洲ブックセンター本店(東京駅前)では日めくりコーナーを設置し人気を呼んでいる

 松岡修造氏の日めくりが大好評だ。9月に発売された第二弾『ほめくり、修造!』(PHP研究所)が好調な売れ行きを記録している。そんななか、出版各社が相次いで日めくりを投入。ちょっとした日めくりブームになっている。

「修造さんの日めくりがあれだけ売れたのは、もちろん、修造さんのキャラクターや言葉が面白かったということもありますが、それを日めくりにした、ということが大きかった。卓上でも壁掛けでも使えますし、使い勝手は抜群です」(出版関係者)

 第二弾では、修造氏がほめて、ほめて、ほめまくる!のがテーマ。修造氏独自の言葉が散りばめられており、読者を叱咤激励するユニークな作品に仕上がっている。第一弾は10か月で発行部数100万部を突破したが、第二弾も売れに売れている。
 
 こうした人気に乗る形で、日めくりの発売がこの秋、相次いでいる。いずれも修造氏の日めくりと同様、万年カレンダーで、卓上にも壁掛けにもなるタイプだ。

 トレンドウォッチャーのくどうみやこ氏はこう指摘する。

「2013年くらいから日めくりカレンダーはジワジワと人気が出ていて、2013年は脳トレものが人気で、雑学とか漢字とか、脳トレクイズ的な日めくりカレンダーがいっぱい出ていたんです。日めくりブームのベースが作られていて、そこに修造さんの日めくりがポンと出てきて爆発的な人気になったと言えます」
 
 八重洲ブックセンター本店(東京駅前)では今年初めて、地下1階のカレンダー売り場に日めくりコーナーを設置。話題の日めくりを並べて、販売している。

 同書店の販売促進担当の高杉信二さんはこう語る。

「サイズ的にコンパクトな日めくりは若い人を中心に人気です。今の時期、来年に向けて気持ちを新たにするという意味で、日めくりを購入いただくかたも多いです。とくに松岡修造さんの日めくりは眺めているだけで明るい気持ちになりますからね」

 ヒットの火付け役となった修造氏の日めくりによって浸透したのが、カレンダー+「名言・格言」という形だ。

 今年3月にはまずノンスタイル井上裕介の『まいにち、ポジティヴ!』(ワニブックス)が発売。どんなに嫌われても前向きな姿勢を崩さない井上の言葉が受け、5万部のヒットとなった。

 それに対抗する形で、お笑い芸人・ヒロシが9月に出したのが『日めくり まいにち、ネガティブ。』(自由国民社)だ。こちらは、前向きな井上とは真逆の内容。ネガティブすぎる言葉が、“無理しなくていいと思える”と逆に人気を呼んでいる。

 修造氏の日めくりを手掛けたPHP研究所では、8月に『日めくり スティーブ・ジョブズ』(著・桑原晃弥)を発売。「積み上げたものを自分で打ち砕く勇気を持て!」など、ジョブズの名言を収録し、ビジネスマンに響く内容になっている。

 実用的な日めくりも登場し、話題を集めている。テレビで芸能人の顔をあっと言う間に若顔に変えることで話題の顔ヨガ講師・間々田佳子さんが監修した、『日めくり まいにち、顔ヨガ! 1回10秒で小顔&若顔になる』(小学館)がそれだ。

 小顔&若顔になるメソッドが、キュートなデザインとユニークな「顔ヨガ格言」とともに紹介されている。ほかの日めくりと違って、こちらは女性向き。「いつでもどこでも顔ヨガが実践できる」とヒットしている。

 まさに百花繚乱の日めくりブーム。その背景について前出・くどう氏がこう分析する。 

「修造さんの日めくりをはじめとした励まし系のものは、今の時代に合っていると思います。先行きが読めない今の世の中、毎日コツコツ一歩ずつ進んでいくことがすごく大事ですよね。そんななかで、言葉や格言によって励まされたいと思う人は多い。日めくりだから、毎日、いろんな言葉で激励してもらえるわけです。

 一方、顔ヨガなど、実用的な日めくりは、“続ける”ということには最適なツールです。実用的なダイエット本にしても、なかなか続けられない人が多いと思いますが、日めくりが日々見えるところにあって、ハッと目にしたときにできたり、ページをめくった時に、次はこれか!と気持ちがアガったりする、というのはすごく大事です。それが人気の理由でしょう。これから実用系の日めくりがどんどん出てくるかもしれません」(前出・くどう氏)

 カレンダー市場が賑やかになってきたシーズン。来年のカレンダーを、日めくりにする人はますます増えそうだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン