国内

猫の専門医 「猫は人間の1才児だと思って接してあげて」

猫は人間の1才児だと思って接すること(Thinkstock/Getty Images)

 空前の猫ブーム。書店には猫関連の写真集がズラリと並び、次々と新刊も発売されている。さらに、今年度中には猫の飼育数が、犬を上回る見込みといわれている。

「猫に“しつけ”をしても言うことを聞かない」と悩む飼い主がよくいるが、「それは当たり前」と、東京猫医療センター院長の服部幸さん。

 そもそも単独で生きる習性の猫は、“人に合わせる”という考えを持ち合わせていない。それを、わがままなどと人が捉えてしまっているのだ。

「猫は生後わずか3か月から親離れが始まり、その後は1匹で生きていかなくてはなりません。ですから、身を守るために怖い経験は、強烈に覚えています。嫌な思いをした場所には二度と近づかないほど。その習性を利用すれば、しつけだって可能です」

“これをしたら楽しい”“これをしたら怖い”、ということを覚えさせればいいのだ。

「猫は、人や犬とは全く違う習性をもつ生き物です。でも、あえて言うなら、人間の1才児だと思って接してあげてください。1才児の前には大事なものは置かず、手が届かないところにしまいますよね。それと一緒。問題が生じる前に予防を考えることこそ、飼い主の責任なのです」(服部さん。以下「」内同)

 そんな猫の気持ちはしっぽに表れるという。

「猫の気持ちはしっぽをみれば一目瞭然です。なでた時にしっぽがピンと立っていたら気持ちよくて喜んでいる合図。しっぽが大きく揺れていたらイライラしている時なので、かまうのをやめましょう」

 また、耳の向きでも気分がわかる。

「好奇心を持っている時の耳は、垂直に立ち“聞こう”という意志が感じられます。一方、不安や恐怖を感じると、だんだん水平になり、イライラがマックスになると耳の穴は完全に後ろへ。ご機嫌をはかる目安にしてみて」

 日常的な行動の中にも猫の心をのぞくヒントがある。

「毛づくろいは、体の汚れを落とすためや、においを消すために行います。また、怖くて不安な時に、気持ちを落ち着かせようとなめる場合も。あまり長時間なめている場合は、体調が悪い可能性もあるので注意してあげましょう」

※女性セブン2015年11月12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン