DVが事件に発展し、実刑判決が下される例も少なくない。今年9月、日ごろから夫の家庭内暴力を受けているとして、妻が離婚を要求。すると夫は逆上し妻の顔と全身に暴行を加え、さらにテープで巻きつけて監禁。「動いたら殺す」と言って暴行を繰り返した。最終的に夫は警察に捕まり、実刑判決を受けた。
さらに驚くべきは、こうした女性への虐待が学校現場にまで見られることだ。9月、韓国の国会議員が全国17市町村の教育庁から回収した2013~14年の全国小・中・高校の「学校内における性暴力発生現況」資料を分析し公表。その結果によると、この2年間で発生した校内“性暴力”の合計は2357件で、一日平均3.2件になるという。
その中身は「体を触る行為」が1182件で半分以上。「言葉によるセクハラ」が716件で約30%、「強姦」が459件で約20%に上る。被害者の実数は「学生」が2532人(95%)とほとんどを占め、「教職員」77人(3%)、「外部の人」45人(2%)だった。
一方、加害者は「学生」が2020人(85.7%)ともっとも多く、「教職員」179人(7.6%)となっている。
さらに、加害者と被害者の関係が学生同士であることがほとんど(1995件)で、教職員が生徒に性暴力を犯した事件は103件あった。“性暴力”が低年齢化している実態を政府の教育部はこれまで把握しきれておらず、具体的な対策の必要に迫られている。
文/張赫(フリーライター)
※SAPIO2015年11月号