「この痛みには、急性期に使用する一般的な鎮痛剤は効きません。帯状疱疹後神経痛では、痛みの性質や程度によって薬を変えなければ、痛みは解消できません。プレガバリン(リリカ=神経障害性痛治療薬)や抗うつ薬、抗てんかん薬、オピオイドなどの医療用麻薬を組み合わせることが大切です」(松尾院長)
2014年10月、日本で小児を対象に水痘ワクチンの定期接種が始まった。これは水痘・帯状疱疹ウイルスから作った弱い株をワクチンとして接種して免疫を作る。しかし、ワクチン接種者が増えることで、帯状疱疹患者も増えるのではないかと危惧されており、すでにアメリカでは、その傾向が表われている。
近年、日本でも帯状疱疹の発症や重症化を防ぐ目的で、大人を対象に水ぼうそうワクチンを接種する自費診療が始まっている。痛みはQOL(生活の質)を低下させるので、免疫を落とさない日々の生活が帯状疱疹予防の第一だ。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2015年11月6日号