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角居勝彦調教師 2歳の新馬を活躍させるための戦術を解説

 毎週のようにGIレースが行なわれる秋競馬のもう一つの楽しみが新馬戦。名馬の多くはこの時期にデビュー戦を迎えている。ウオッカ、カネヒキリ、ヴィクトワールピサなど数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、色のついてない若駒を育てる難しさ、面白さについて語る。

 * * *
 うちに入厩するのは、芝向きの中距離血統、つまりクラシックを狙う馬が圧倒的に多いのですが、やはりそれぞれ個性がある。いちばん違いが大きいのは気質です。

 牧場からの事前情報はあるものの、入厩時の様子が大事。長時間の輸送でストレスを受けているので、馬の気性が明確に出ます。主に2通り。気性が弱く素直なのか、気が荒く(強く)て反抗的か。

 素直な馬は調教で言うことを聞くので、距離の融通が利きます。厩舎としてはやりやすいのですが、むしろ反抗的な馬のほうが面白い。経験上、気の強い馬のほうが切れ味があります。ためてためて、我慢することを厳しく優しく教え込み、最後はスパっと切れるようにもっていく。調教のしがいがあるわけですね。

 馬主さんの意向もありますが、2歳のうちに2勝することが目標で、そのためには年末から逆算して使う。新馬戦を勝って、次の特別を勝つと、もうクラシックを意識するようになります。2勝した馬は1~2月の馬場が硬い時期には使わず、クラシックのトライアルに照準を合わせます。

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