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【日本株週間見通し】郵政3社の好スタートで需給大きく改善

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の11月2日~11月6日の動きを振り返りつつ、11月9日~11月13日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は上昇。郵政グループ3社の予想以上の好人気が投資家のセンチメントを明るくさせるなか、週末には8月21日以来の水準を回復した。週初の日経平均は400円近い下落となった。前週末の米国株安の流れに加えて、中国景気に対する先行き不透明感、祝日を挟むことで様子見姿勢が強い中で、利益確定の流れが強まった。

 しかし、祝日明け後は、注目された郵政グループ3社がいずれも公募価格を上回っての順調なスタートとなるなか、センチメントを明るくさせている。特にかんぽ生命保険<7181>などは、新興市場の中小型株並みの値動きをみせていることで、限られた投資資金が明確にシフトしている状況が窺えた。また、決算が本格化する中、村田製作所<6981>など電子部品株のリバウンドが強まり、指数を押し上げている。日経平均は19000円での底堅さが意識されており、市場全体の先高期待も膨らんでいる。

 今週は6日の米雇用統計の結果を受けてのスタートとなる。雇用統計については12月利上げの方向に連邦準備制度理事会(FRB)を後押しする可能性がありそうだ。4日の米国市場はイエレンFRB議長が「12月の利上げの可能性は残っている」と発言したことを受けて、円相場は1ドル121円台に乗せていた。週末には10月のドル高水準を超えてきており、円安基調が強まる可能性がある。日経平均は足元でのもち合いレンジを上放れつつあり、リバウンド基調が強まる可能性がある。

 また、連日で活況な取引が続いていた郵政グループ3社については、さすがに割安感が後退したこともあり、週末には上げ一服となった。しかし、MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が、日本郵政<6178>とゆうちょ銀行<7182>の2銘柄を標準指数に採用するため、インデックス採用に伴う需給思惑が根強い。年末にはTOPIXへの組入れが控えているため、押し目買い意欲は強いだろう。資金回転も利いている需給状況であり、利益確定の資金が新興市場の中小型株などへの物色に広がりをみせてくる可能性もある。新たな物色対象を探る動きも活発化しよう。

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