米・ニューヨーク州のイェシバ大学の研究チームは、世界17か国の「認知症ではない60才以上の男女」約2万7000人を対象に調査した。その結果、MCIの人は歩行速度が遅く、歩幅が狭くなることが明らかになった。
歩くという行為はとても単純そうに思えるが、実は「脳内ネットワーク」をフル活用している。視覚で周囲を捉え、状況を理解し、障害物がないか、地面に段差はないかなどを判断し、リズミカルに足を出すことが求められる。脳内ネットワークが衰えると、それがスムーズにいかなくなる。
1分あたりの歩行距離がおおよそ60mになると「遅い」と判定されて認知機能低下のリスクが高まり、1分あたり36mになると「明らかに異常」とされるという。
よく不動産物件の広告に使われる「徒歩○分」は、「1分あたり80m」で計算されるというから、「駅から徒歩5分」の物件に7分かかると「遅い」、12分以上だと「明らかに異常」となる。
最近では、画期的なMCI検査法『MCIスクリーニング検査』がバイオベンチャー企業MCBI社によって開発された。
「昨年7月から検査を開始しました。検査方法は被験者から採血した7ccの血液を2週間ほどかけて分析し、80%の精度でMCI発症のリスクを判定します。一度の採血ですむので体への負担が少ないことが特徴です。50~60代の検査希望者が多く、保険適用外なので費用は2万~3万円です。現在、全国約700か所の医療施設で検査を受けることができます」(MCBI社担当者)
※女性セブン2015年12月3日号