ライフ

政権交代諦めない小沢一郎氏を支えている「母からの三か条」

母親の思い出を語る小沢一郎氏

 人生には忘れることのできない存在が必ずいる。今の自分を作ってくれた恩師の姿は、温かな記憶とともに甦る。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の小沢一郎氏(73)が、恩師から学んだ大切なことを語る。

 * * *
 恩師を1人だけ挙げるとしたら、おふくろですね。僕は政界で「壊し屋」と呼ばれているけれども、僕が壊そうとしてきたのは日本のアンシャン・レジーム(官僚支配の利権体制)そのものなわけです。自民党を飛び出してから四半世紀、これまで本当に山あり谷ありの政治家人生で、政権交代も2回実現させました。しかし未だ志は遂げておりません。まだまだ日本の旧体制は健在です。

 それでも僕は全然へこたれていません。現在は小さな党の党首ではありますが、旧体制を壊し、新しい国民本位の政治を実現するまでは何度でも政権交代をめざし、この国に政権交代可能な議会制民主主義を定着させることをあきらめるつもりはありません。

 思い返してみると、そうした僕を支えているのはおふくろの言葉なんです。

 母の小沢みちは明治34(1901)年生まれで、とても忍耐強く、そして前向きな「明治の女」でした。僕が子供の頃、政治家だった父・佐重喜は東京にいましたから、郷里の水沢で母と2人で過ごすことが多かった。母にすれば、僕は末っ子の長男だから心の中では可愛かったのでしょうが、躾(しつけ)には非常に厳しい人でした。やんちゃをすると柱に帯で縛りつけられたり、雪の中、外に閉め出されたり、尻をひっぱたかれたりと。

 その母親が折に触れて言い聞かせてくれたのが、「男の子は泣いちゃいけない」「言い訳をしてはいけない」「強い意思を貫いて絶対に志を曲げてはいけない」という三つの教えでした。20年ほど前(1995年)におふくろが亡くなったときは泣けて泣けて仕方がなかったけれど(笑い)。もちろん母の泣いちゃいけないというのは、「泣き言はいうな」ということです。

 その教えは僕の心身に染みこんでいます。だから政権交代を実現し、それが短期間で失敗しても、一切、泣き言や言い訳をしようという気になりませんでした。特に意識しなくても、志を曲げなければ「なせば成る」と自然に前向きにとらえることができるのは母のお陰です。僕は他人の評価をしないし、悪口もいわない。それは言い訳に通じるからです。政治家は常に結果責任を自分自身で負わなければならないのです。

関連キーワード

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン