林の中で一心不乱に剣術修行する、眼光鋭い侍(役所)。その姿は、かつて主演した『最後の忠臣蔵』などを彷彿とさせるが、なぜかその侍が「ただいま~」と気の抜けたような声で玄関から帰宅。キッチンではエプロン姿の美人妻が出迎え、ふたりでにこにことマルちゃん正麺を食するのである。ちょんまげ役所はうれしそうにラーメンをすすり、「うそだと思ったら、食べるでござる」。ござるって…。
大真面目な役所侍に笑っていたが、そのライバルともいうべき存在が現れた。日清どん兵衛シリーズの『どんばれ』の加山雄三だ。囲炉裏端で弟子の佐藤健が「どんばるとは」と師匠のどん兵衛(加山雄三)に問うと、かき揚げを揚げる師匠は「わからんか、わしもわからん」そこに鬼が襲い掛かり、師匠は大根で見事撃退。それで終わるのかと思ったら、なんと師匠は鬼かき揚げ入り「どん兵衛」になっていて「幸せだなあ」とつぶやくのである。なんなの、このシュールな展開!?
このコンビの年末バージョンは、さらに複雑に。旅を続ける佐藤に、背中から「腹減ったろ」と声をかけるどん兵衛師匠。健がどん兵衛をすすろうとすると、湯気になって加山雄三の姿が!「うどんと蕎麦とどっちが好きだ」と問いかける湯気師匠に答えられない健。すると師匠は「あの女子に聞いてみろ」と通りかかりの村娘(清水富美加)の後を追わせる。怪訝な顔の娘に健が声をかけるのをためらっていると、懐の中のどん兵衛師匠が「ねえねえ、うどんと蕎麦、どっちが好き?」調子のいい声を出し、怯えた娘が逃げて行ったあとも「年越しは蕎麦だよね、バーソー、バーソー」とご満悦だ。
加山雄三はお散歩番組を卒業、次になにをするのかと思ったら、どんばるどん兵衛になっていた。今年のおとぼけ重鎮・オブ・ザ・イヤーは加山雄三に決定! うれしいかどうかはわからないけど、加山さん、おめでとうございます!!