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羽柴秀吉氏次男「父は人徳があったと亡くなった後気づいた」

「衆参ダブル選挙か?」と世の中が騒がしい昨今。今年4月11日に逝去した「羽柴秀吉」氏(本名・三上誠三。享年65)が生きていれば、もっと賑やかになったに違いない。数々の選挙に出続け、そして落選を繰り返した彼はいったいどんな人物だったのか。

 甲冑姿のド派手な選挙ポスターや、大阪城を模した自宅が話題になり、「日本一有名な泡沫候補」と称された彼だが、豪快なエピソードに事欠かない一方で、意外にも煙草や酒を飲むことはなかった。接待を受けても食事だけして帰ってしまっていたという。次男の三上大和氏はこう語る。

「お金の使い途が派手だと思われがちですが、実は意外と倹約家でした。鎧兜などの骨董品や興味のあるものには惜しみなく金を使いますが、服や時計などにはこだわりがなく100円ショップで買ったりしていました。晩年の一番の好物は吉野家の牛丼。『必要なものにだけお金をかければよい』と思っていたようで、服装は仕事の時に限らずいつも作業着に長靴でした」(大和氏、以下「」内同)

 服装に関しては、こんな話がある。三上氏は高校を卒業すると父の羽柴氏に何も告げずに上京。距離を置き続けたが、三上氏が役者をしていた20代初めに、劇作家で演出家のつかこうへい氏が主宰する舞台に出演した際、羽柴氏が突然劇場に姿を現わした。

「一緒に舞台を観てくれていた父の知人には挨拶しましたが、父とは一言も交わす気にはなれなかった。それでも印象深かったことがある。父はいつもどおりの作業着姿で舞台を見に来ていたのですが、よく見ると長靴はピカピカ、作業着も新調した綺麗な物だったんです。今になってわかったことですが、息子の舞台出演を父は晴れがましく思ってくれていたんですね」

 既得権益の破壊を主張して地元の有力者などから嫌われる一方で、葬儀には480人もの人が列席した。

「鈴木宗男さんが直筆の弔辞を送って下さいましたし、デヴィ夫人からも花が届きました。生前から『俺はデヴィさんや宗男さんと仲がいいんだぞ』なんていってましたが、本気にしていなかった。人徳があったんだな、と気付いたのは亡くなってからですよ」

 ただのイロモノであったならそこまで慕われることはなかっただろう。日本一の泡沫候補の一生は、日本を良くしようと本気で考え続けた生涯だった。

※週刊ポスト2015年12月25日号

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