「実を言うと私は事始めで引退したんです。それにともないTwitterでも『猫組長』に改名した。だから私にはもう現役組長というバリューはない。その点をまずお詫びします。未練はまったくない。もともと一段落したら辞めるつもりでした。分裂騒動の行方にも興味はないです。
今後どうなるかなんて、当事者だった人間に言わせればひとつです。抗争をやったら玉砕するしかない。無駄死にが出ます。なんとしても避けるべき。メリットなんてなにもないんです。
直後ならまだ、上の人間の判断でどうにかなった可能性はあった。
だって六代目の親分(司忍組長)はすべての人間の親だった人です。その人が神戸山口組に足を運び、話し合いをしたいと言えば、断わることはできなかったはず。でも両者はにらみ合いを続け、もはや和解に舵を切っても動けない状況です。山口組は超大型のタンカーのようなもの。進路変更には時間がかかります。
ヤクザだから個人個人を見れば、喧嘩の出来るヤツはいる。でも昔とは社会情勢が変わりすぎて、襲撃を決行すれば玉砕覚悟の特攻隊になってしまう。そればかりか組織犯罪処罰法で、実行犯が逮捕されればトップの責任問題にもなる。
それでも、やはりヤクザの存在意義は暴力です。損得を考え黙っていたら力を喪失してしまう。馬鹿を承知で動く人間が出てくるのかなと思います」
※週刊ポスト2016年1月1・8日号